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「地元に帰れ」という呪縛。

私は今、就活中だ。

東京の企業を主に受けている。

「地元に帰らないの?」と言われる。「私は地元に帰りたくないです」と返す。

私の家庭の事情を話すと、「帰った方がいいんじゃない?」と必ず言われる。そう言われると、「私の何がわかるんだよ」と思ってしまう。

「親に感謝しろ」「地元に帰れ」。そんなテンプレが私の頭の中を渦巻いている。

確かに、私は"万年反抗期"なのかもしれない。「親に感謝しなさい」と人は言う。父子家庭で父一人子一人で育ちました、と人に自己紹介する。そしたら、周りは父のことを褒めた。家事もして、他に女も作らず、一途に私を愛した父を。

しかし、素直に感謝できない自分がいる。父は私の重荷だった。

携帯も鞄の中も勝手に漁られた。友達の名前も言わなくなったら、学校の先生に聞いて回った。帰るのが遅くなった時は、友達の家に電話をかけた。

私の将来も全て父が構ってくるのだろうと思ったら、ため息が止まらない。私の就職ですらこうなのだ。私が結婚したら、家庭を持ったら…。正直、今その想像ができていない。

小さい頃、父の買ってきた本を読み、父の買ってきたおもちゃで遊んでいた。ゲームや漫画は買ってくれなかった。習い事も、中学受験も。自分でやりたいと言ったことをさせてくれたことは一度もなかった。

地元に戻ったら、私はまた「レールに載った人生」を歩むのだろうか。想像すると、震える。

私は大人から見ればわがまま娘に思われるのだろう。でも、私の立場になって見つめて欲しい。私は考えて考えて考えた挙句、思った。「私の人生」が送れていない人生は、私じゃない。

生まれた環境のせいで、自分の人生を妥協したくない。それが私の答えだ。これが受け入れられないこともあるだろう。その時は、その時だ。私は私の決断を、「私」を信じるしかない。家庭環境、ではなく「私」という人間を見てほしい。私にだって選ぶ権利はある。

さあ、人生の節目をどう乗り越えようか。

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