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透析しない選択をした叔父の孤独死

2023年10月18日、叔父が亡くなりました

2023年春に腎不全と診断され、「透析しなければ、余命は早ければ夏、すれば10年くらいは生きられます」と医師から告げられ、透析しない選択をした叔父。

医師もそれを、すんなりとは許容しません。
何度も何度も説得してきました。

私も透析をすすめましたが、とても苦労をしてきて、趣味もなく、子もおらず、奥様も亡くしているため、これ以上長生きしても楽しみがないと、頑なに拒否をしてきました。

散歩する時は必ず「救急車を呼ばないでください、透析しないで下さい」と手書きで作った意思表示カードを首から下げていました。
このカードがどれくらいの効力を持つのかは、叔父が外出時に倒れたことがないので、わかりません。

叔父は、余命宣告をされてから 約半年後に、自宅で亡くなりました。
73才でした。

透析をしない生活がどのような体調や精神状態になるのか、詳細は本人にしか分かりませんが、見た限りでは下半身の水ぶくれ(帯状疱疹)、むくみは、毎月悪化していきました。
でも、電話や対面ではとても元気で、よく笑い、よく喋りました。

10月上旬に訪問した時には、自分の足で休み休み、徒歩15分のスーパーまで移動できていたのですが、中旬から意識が混濁しはじめ、体の一部の痛みを訴えるようになりました。

ベッドから動けなくなり、一週間ほど(自費での)訪問介護の回数を増やしました。
自力でトイレに行けないため、急きょ介護用のオムツを購入し、ヘルパーさんが交換してくださっていました。

医師、看護師、介護士、私が、入れ替わりで訪問していたので、発見までは スムーズでした。

叔父が定年後に数年続けていた日記帳を読みましたが、本当にこれといった趣味がなかったようで、ほぼ毎日「今日は散歩をして落ち葉を拾った」「今日は面倒で散歩しなかった」「テレビを見て過ごした」ばかりの内容でした。

ごくたまに、野球ニュースの感想が書かれているくらいで。
唯一、貯金を数えるのが好きだったようで、部屋中に小銭貯金が隠されていて、合計金額と日付のメモが添えられていました。
最後の日付は、9月30日。
小銭だけで、10,000枚以上ありました。

昔からお金に厳しい人で、奥様にも 贅沢はさせなかったし、 あまり物も買わない人でした。
ですので 老後資金は十分に貯まっていましたが、貯めることが目的になっていて、使わずじまい だったようです。

余命宣告をされた後 、私に生前贈与110万円をくださいましたが、「無駄にお金を使うんじゃないよ、とても大事だからね」と言われたので、叔父から頂いたお金は、1円も使っていません。

叔父は、「仕方なく生きてるだけ、でも幸せだったよ」と言っていました。

血縁の親族が私を含め2人しかいないせいか、飾り棚には、亡くなった奥様と、私の写真が飾られていました。
写真アルバムには、奥様とのツーショット、親族の集まり、私の子供時代や結婚式の写真ばかりで、友人との写真が見当たりません。
 
お金を使わない人だったので、 もしかしたら友人と食事をしたり、 旅行に行ったりということも、あまりしてこなかったのかもしれません。

私のこのnoteアカウントは元々、 多額の借金を返済するために 書き始めたものなのですが、依存症による浪費を反省するとともに、叔父のようにお金を貯めることだけが目的になっている 人生も、どうなのだろうと。
今回の出来事で、お金についても考えさせられました。

この件に関しては また後日、noteの記事に書きたいと思います。

エンゼルケアを施して頂いた後の叔父の姿は、赤ちゃんのように見えました。
表情がおだやかで、よかったと思いました。

「お疲れ様、よく頑張りましたね、今までありがとうね」

そう言葉をかけて、お別れしました。



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