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関西雪山登山 チェーンスパイクのすすめ

関西拠点のハイカーなら、チェーンスパイクが断然おすすめ

2022年は本格的な冬模様、雪的な目線では当たり年と言えるでしょう。
雪景色が人気の山々はもれなく積雪しており、雪山ハイクに行かれた方も多いのではないでしょうか。

私も細々と雪山ハイクをやってきましたが、関西拠点の場合「チェーンスパイクを最初に購入するのが最適解」という考えに至りました。

雪山におけるシューズ用アイテム

①軽アイゼン(~6本爪)
②アイゼン(~12本爪)
③チェーンスパイク
④わかん
⑤スノーシュー

現代において雪山でシューズにつける道具と言えば、これら5種類でほぼ全てでしょう。あとはかんじきとか?
多くの方は①②どちらにするか、もしくは何本爪にするかを迷われるのではないでしょうか。
結論から言うと、一般登山者の場合はチェーンスパイク → 12本or10本爪アイゼンの順に揃えるのが良いと私は考えます。

チェーンスパイクはアイゼンじゃない?

私は「チェーンスパイクはアイゼンじゃない」と教わったことがあります。文字にすると確かにその通りですが、その意図は「チェーンスパイクは雪山では使い物にならない」というものでした。

そのため、私は長らく6本爪/12本爪アイゼンを併用していました。
同じ方も居るのではないでしょうか。
…が、関西の低山レベルにおいては正直どっちも使いにくい!
6本爪は前後に爪が無いため傾斜に弱く、また雪がない道や渡渉の際に歩きにくい。
12本爪だと登山靴と合わせ非常に重量があるため軽快さに欠け、また低山の場合は基本オーバースペックです。

チェーンスパイクの機動力と汎用性

初めてチェーンスパイクを使用したとき、すぐに確信しました。
「あ、これや。ずっと前からこれにしとかなアカンかった」と。

まずは機動性が段違い。重量が軽いため当然足取りも軽いです。踏み跡があるルートであれば登り下りも問題なく、渡渉や土の道も気になりません。
そして着脱もスムーズ。アイゼンのように座り込み、間違わないよう取り付ける集中力が不要です。

これだけでも充分なのですが、汎用性の高さも抜群です。
雪山に行くくらいの方はきっと、夏山アルプスなども登られると思います。その際、残雪エリアや雪渓に出くわす可能性がありますが、その時でもチェーンスパイクがあれば安心です。
軽アイゼンでもOKですが、チェーンスパイクは軽量ゆえお守りとして気軽にパッキングできます。冬だけでなく夏にも出番があるのは嬉しいですよね。

◆代表的な製品の重量比較(両足)◆
モンベル スノースパイク6 クイックフィット Mサイズ:520g
グリベル 12本爪 エアーテック・ニュークラシック:890g
ブラックダイヤモンド アクセススパイク トラクションディバイス Mサイズ250g

数字にすると一目瞭然です。
重たいから置いていこう、となりにくいため安全登山に繋がります。
また、ローカットからハイカットまで幅広い登山靴に取り付けられる汎用性の高さも光ります。

おすすめ製品

ブラックダイヤモンド アクセススパイク トラクションディバイス

私は軽量重視でBDアクセススパイク トラクションディバイスを使っています。軽い点も良いですし、前後のループのおかげで手袋をしていても着脱しやすく、またBDのロゴがあるため裏表がひっくり返っていても分かりやすいです。
水色の三角形もデザイン性と強度を考慮したと思われます。うーん、よく考えられています。

サレワ MTN スパイク

もう一つのオススメはこちら。
面ファスナー(マジックテープ)で留めるバンドがあり、誤って外れてしまうリスクが少なくなっています。
少し重さがありますがBDに比べ価格も抑えめのためオススメです。

Amazonの安物はNG

ほとんどの登山用品について言えることですが、行動に支障をきたすものについては謎ブランドを買うのはやめましょう。
安物の低評価レビューを見るとゴムがすぐちぎれた、チェーンとの接続部が破断したというレビューが散見されます。
恐らく、見よう見真似で作りはしたものの低温下での性能確認ができていないと考えられます。当たりを引ければいいですが、ガチャの結果が現地でしか分からないのはシャレになりません!

6本爪アイゼンの価値は

関西は高い山が少なく、最高峰の八経ヶ岳でも1915mです。
雪山ハイクで人気の山は多くが1000~1500m程度であり、積雪量にもよりますがチェーンスパイクで登頂できる山がほとんどです。
難しいのは急傾斜で積雪量も多い伊吹山、伯耆大山、荒島岳あたりでしょうか。ここまで来ると10本か12本爪アイゼンが必要です。

となると、6本爪アイゼンは活躍どころが微妙です。本格雪山には使えず、夏のお守りアイゼンとしては少々重い。低山ではチェーンスパイクで十分…。
器用貧乏な感じが否めませんが、逆に考えると本格登山以外では一応オールラウンダーであるため、ピッケル等を使う雪山登山は今後も絶対やらない!という方にとっては6本爪アイゼンが最適解かもしれません。

軽快さは、楽しさと安全に繋がる

昨今はUL(ウルトラライト)という装備の軽量化が盛んです。
伝統的な重量級スタイルを重んじる方もいますが、間違いなく言えることは軽量であることは体力と時間の確保につながります
日帰りハイキングであっても、体力消耗が抑えられればコースタイム遅れや転倒、滑落といったリスクを減らすことができます。
そして何より、軽快に歩くことで自ずと視線が上がり、自然を存分に味わうことができます。

チェーンスパイク一つでたくさん語りましたが、4本、6本、10本、12本爪アイゼンが一時期家にあった私の体験談になります笑
本稿でアイゼン難民をお一人でも救えたら幸いです。

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