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詩 プレゼント

プレゼント

クリスマスツリーの鐘や星を取ろうとした触ろうとした。別にほしいわけじゃない。
だけど、すごく魅力的な気がした。

それらはライトアップされて夜に光り輝くもので、だから手に触れるものではなく、観るものだ。

小さな頃、クリスマスツリーを飾りつけることはただ楽しかった。

誰かに手渡すためのプレゼントのラッピングは綺麗だけど、それよりもそれを渡す人の顔が浮かんだ。

プレゼントをラッピングで包む

きれいな瞬間の数だけ飾りはあるのかもしれない。

そんな思いで飾りつけをする人の気持ちも少しわかるような気がした。

ただ楽しいじゃなく、楽しい日がちょっと先にあることの喜びが今なら少しわかる

ガラスごしにケーキを眺める子どもの眼差し

それを見たらケーキの入った箱がすごく重かった

小さな子どもにプレゼントを手渡した

それを開けて、見てすぐに袋に直すもなかなか袋に入らない。

だけど、それでも一生懸命に直す子どもの姿はプレゼント。

それが私へのプレゼント。

年齢を重ねてありがとうは、どこからともなく何気なく言ってしまうことが増えた

友人と会うことも減った。なかなか会えない友人もいる。もう二度とありがとうも言えない人もいる。

その人達からもありがとうはもらってきた。

だからありがとうの言葉は氷のように軽やかで冷たいんだ。

だけど、最近は熱いモノが込み上げてくる

その心にはそのありがとうと言う氷が必要なんだ

そしてありがとうは不思議なもので氷のようなわだかまりや距離すら溶かしてくれる

溶けていくカラフルに彩られた夏に食べるかき氷にだってなる

そしてそれをおばあちゃんからもらった古いカメラで写すと、氷が泣いてるように見えた。

ありがとうは、それはまるで、風の中、散って飛んでいく花びらようだ。

着地点は心の様々な場所。

子どもにそれらを大切にしてほしくて、時に母は向き合う。父は祖父母は向き合う。

そして大切を知る。

プレゼントとありがとうの意味を知る日がいつかきますように。