【人生の100冊】5.灰谷健次郎『兎の眼』
小学生の頃、読書感想文というものを書くのが嫌いだった。本を読むのも文章を書くのも好きなのに、読書感想文はキライ。
なぜなら小学生の読む本など、それほど深みのある内容ではないし、感想を書いても面白くないからだ。
「この場面に感動しました」
「主人公の○○はすごいと思いました」
「私も同じようなことがあったら、○○のように勇気を出して戦いたいです」
どうしてもこんな感じの薄っぺらなものになる。10年そこそこしか生きていないのだから、物語に自分の人生経験を重ね合わせる、なんてこ