見出し画像

1minute七十二候 熊蟄穴 (くまあなにこもる)

大雪<次候>
12月11日から12月15日頃

熊が冬ごもりのために穴に入る時期。冬ごもり中の熊の眠りはわずかな物音やにおいで目を覚ますほど浅い眠りだそうで、この間に子を産んで、春に一緒に穴から出てきます。熊だけでなく、りすや蛙、コウモリなども続々と冬ごもりを始めます。

山深い世界で熊が穴にこもる様子など、たとえ自然が近かった昔の人々もめったに目にする光景ではなかったと言います。それが季節を表す言葉になっているという事は、昔の人は季節と共に生きる知恵として 遠くに住むものや、遠くにある景色を思いを巡らしていたのだなと感じます… 。

いつだったか、現代を生きる私たちは遠くにある自然の営みを「心の目」で見なければ 四季と共に生きていけないのだと何かで読んだ記憶がありますが、本当にそうですね。
いまこの同じ時が流れているはずの山奥の世界では植物や動物たちがどうしているか、ちょっと心の中で想像してみると一気に季節を感じ取ることができます。

熊たちほどではありませんが、人間も同様にこの時期は外での活動が少なくなり、家の中で過ごす時間が多くなります。気持ちも憂鬱になりやすい季節ですが、あえて暖かい家の中での暮らしに感謝し楽しみを見つけてみるのも良いかもしれません。

七十二候ってなに?
日本には一年を24に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)と、さらにその二十四節気を3つずつ合計72に分けた七十二候(しちじゅうにこう)という季節があります。
七十二候は鳥や虫、植物、天候などの様子で季節を表現しており、細やかな自然の移ろいを感じることができます。 骨董・アンティークバイヤーとして活躍する傍ら「古き良きものの美しさや、ものを大切に使うことの楽しみ」もご紹介中。 ここでは ゆとりある心づくりのヒントとして、季節の話題を記しています。

What is 72 micro seasons?
In Japan, nature's rhythmic seasons are deeply cherished, inspiring a fascination with the mesmerizing 72 micro seasons. Unlike traditional divisions of four or six seasons, these micro seasons paint a vivid picture of nature's transitions with astonishing precision. Imagine the thrill of witnessing the delicate blooming of specific flowers, the graceful arrival of migratory birds, the tantalizing ripening of certain fruits, or even the intriguing behaviors of animals. This admiration cultivates heightened awareness of the surrounding world, immersing individuals in the mesmerizing beauty and rhythmic harmony of nature's ever-changing tapestry.


written by Yuuki Usami-Nakamoto © antique blue Parrot Co.,Ltd.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?