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映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台

映画「鉄道員」の舞台となった幌舞駅

北海道旅行三日目。

場所がどこであっても眠りが浅いことに変わりがない自分。ビジネスホテルの窓の外が薄明るいことに気づき枕もとのiPhoneを引き寄せると、なんと4時前でした。帯広市の日の出時間を調べてみると3時47分(6月15日時点)。4時前の日の出は自分の地元ではありえないな。

ビジネスホテルの直ぐ近くをJR北海道の根室本線が通っていて、今日はその根室本線を滝川駅方面に進み「幾寅駅」を目指します。進むと言っても車ですが。

帯広市を出た辺りから天気が怪しく、山越えでは霧のような雨が降っていました。バブルの頃に大手デベロッパーが開発に参入して話題となったサホロリゾートの入口をチラリと見ながら。狩勝峠を越える頃は土砂降りの雨。今回の旅行もレンタカーのお世話になっているのですが、新千歳空港で借りたレンタカーは新車のヤリスでした。車は新しいのですが、運転席・助手席の窓の外側の油膜が酷く雨が降り出すと左右とも見辛くデフロスターを当てるなどして急場を凌ぎました。しかし最近のレンタカーはApple Car Play装備ですか、驚きました。自身のiPhoneにダウンロードした音楽や地図を使用してのドライブは快適でレンタカーのカーナビは全く使いませんでした。自分としてはACCが装備されていると、北海道のような大地を走るのには好都合なのですが、いずれレンタカーにも自動追従や自動ブレーキも当たり前の装備になるのでしょうね。
話を戻さなきゃ。

だるま食堂とキハ40

根室本線幾寅駅に到着しました。映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台となった駅です。旅行の日程が5~6日あれば、その内1日を好きな登山で組めるのですが、3泊4日、実質行動できるのが3日間となると登山やハイキングは体力的に厳しく、名所旧跡などの観光地を巡ることになります。そんな理由で思いついたのが北海道=映画のロケ地=高倉健となったわけです(笑)

理髪店のロケセット
ホーム側から幌舞駅を見下ろす

土砂降りの中を走ってきましたが、幾寅駅がある南富良野は今にも降りだしそうな天気。一眼レフを取り出してササッと撮影して歩きます。映画に登場した列車キハのカットモデルの裏からホームに上がって撮影。この時気づいたのですが駅には自分の他に女性が二人いました。お一人は駅舎を管理しているであろう女性で気さくに声をかけてくださいました。映画「鉄道員(ぽっぽや)」はテレビやビデオで何度も見ましたし、浅田次郎の小説も読了していますが、訪れる前に改めて映画を見ておけば良かったなと少し後悔しています。映画を見ておけば、ホームに立った時に頭の中でテネシーワルツが流れたでしょう。後に管理していると思われた女性は幾寅婦人会の会長さんだということが分かりました。幾寅駅、映画では幌舞駅となっていましたが、駅のホーム側にはお花畑があって、自生しているもの、植え付けられたものが咲いています。今の時期は昇り藤(ルピナス)が満開です。小さい白い花をアプリで調べて名前を伝えてあげると、どうやら会長さんも以前から知りたかったらしく大変喜んでくれました。もう一方の女性を含めてそんな一期一会を楽しんでいるとパラパラと雨が降り出し、バスツアーの人たちもやって来たので挨拶をして駅を離れました。

セラスチウム。この花を見ると幾寅駅の会長さんやもう一人の女性を思い出すんだろうな。
根室本線の幾寅駅を含む区間では2016年の台風の影響で運休が続いており、
現在停車する列車はありません。
駅舎の中は記念展示コーナーになっています。備え付けのテレビでは映画「鉄道員(ぽっぽや)」のだるま食堂での乱闘シーン。志村けん唯一の映画出演です。だるま食堂で演じた男の悲哀、そして「赤く咲くのは赤い花、白く咲くのは白い花…オレは夜ひらく。」小林稔侍と高倉健に抱えられ千鳥足での名演技でしたね。
昇り藤(ルピナス)

あとがき
2019年11月10日。高倉健の命日に東京・銀座で記念上映した収益の一部を小林稔侍ら「鉄道員(ぽっぽや)」の出演者・製作スタッフら有志が「幾寅駅『鉄道員』ロケセット保存応援団」を結成し、ロケセットを保存するための費用として南富良野町に寄付するという記事がWeb上に残されています。

旅行日:2022年6月11日

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