見出し画像

スクラムマスターの価値とは?

去年、スクラムマスター(SM)を経験し、今年度は開発リーダーやPjMと役割が変わったことで、SMの価値を自分なりに考えてみました。

ここに書いてるのはあくまでも、実績に基づく個人の考えで、本格的な解答は、資格を取るための研修や、書籍など読んでいただけると良いかと。

SMを振り返ることになった理由

そもそもなぜSMを振り返り、これを書こうと思ったのか。

1. SMの役割を整理するため
2. 自身の価値を振り返るため
3. 組織からしたSMに求めるものを整理するため

そして、本当のところは、今後の自身の立ち回りとして、どうあるべきか考えたかったというのが一番大きいです。

SMの役割とは?

ここは研修や書籍で学ばれるのが一番良いと思います
少なくとも、自身の独学で言えば、
・チームにスクラムを教え、スムーズに進むようにする
・チームの最大化

ただ、先輩SMから聞いた、自分の中で一番しっくりきた内容としては、PO、開発の間に入って「三すくみ」にするということ
「三すくみ」になることで、開発とビジネスのバランスが取れるようになります。

ここで言うバランスは、力が50/50の関係である事。
チームによっては70/30で成り立つチームもあると思いますが、それはそれで、品質問題や視座の減少によるプロダクト成長率の低下などに繋がる可能性が考えられます。

例えば、ビジネスが強かった場合、全てのタスクが「なるはや」となってしまい、開発への負荷が上がりかねません。

これでは長続きしないし、場合によっては技術的負債が増える可能性もあります。

もちろん、時にはバランスを崩すことも必要な時もあると思います。
その時、SMは、本当にバランスを崩すべきか、崩し続けてないかなど、チームが納得できるようにファシリテーションするのも役割なのだと。

気をつけるのは、間には入るが折衝するのではなく、問いでそれぞれに考える時間を与え、全員が納得のいく形で進めると言うこと。

自らがSMとして行ってきた事

少しここは自身の整理のために書いておきます。

・開発保守体制に変更によるスクラムルールの刷新
・各ミーティングの設計とファシリーテーション
・カイゼンする文化の構築
・チーム状況の分析(不具合傾向、見積もり制度)
・不具合指標の策定
・1on1
・ビジネス要求を満たすための一時的なチームの編成
・チームビルディング企画

今思えば、わからないなりにSMの役割はできていて、開発とPOのバランスも1on1を通して、取っていたなと。
そして、あの時チームビルディングとして、いくつか企画し、相互理解が生まれたことで、チーム間の溝が減り、今では相手の事を理解した行動が取れる部分が生まれていると感じます。

逆にまだまだだったのは、ビジネスに弱かったこともあり、POの成長やROI意識など不足しており、プロダクトの成長への還元は少なかったと思います。

また、SMとしてどうあるべきかという考えが足りなかったので、目標が曖昧だった分、パフォーマンスも低かった部分もあると思います。

自分自身の考えるSMの価値とは?

自分のことも振り返ったので、SMの価値を整理します。
ここはあくまで、自分自身が感じている価値です。

もう少し言うと、自分自身がそうでありたいと感じる姿に近いかもしれません。

・スクラムチーム全員をPjM級へ成長させる

元々スクラムにはPjMは存在しません。
存在しないのは、プロジェクトのように終わりがないからと言う認識です。

しかし、スクラムを運営する上で、それなりに目標は立て続けている。
1スプリントであれ、OKRであれ、そこに作戦があって、ゴールを目指す活動をしているはず。
その期間中、PjMのように責任を取るのはスクラムチームになる。

だから、一人一人が自分の分野の範囲で責任を持ち、行動出来るようにならないといけない。
SMはチームがそうなるように様々な問いを駆使して、メンバーを成長させる。
これが価値だと思います。

恐らくスクラムガイドでは、自己組織化(自己管理化)と書かれていると思います。
ただ、自己組織化と言われてもなかなかイメージしにくいので、PjM化とイメージしやすい形で記載してみました。

・プロダクトの成功キーパーソン

PO、開発、チームによってはもっと分割されているかもしれません。
チームが増えれば、バランスをとるのは大変です。

SMはその状態でも、問いとファシリテーションと言う力で、それぞれに考える時間を与えながら。

そして、そのバランスを取ることで、プロダクトの成功へ導くのはSMの役割だと思います。

個人的に、スクラムガイド2020の真のリーダーとはそういう意味なのだと思っています。

・外部環境とのDIFF

SMであるからこそ、自チームだけではなく、外部の環境(社内外問わず)の情報もキャッチアップし、チームに還元すべきだと考えています。

勉強会やカンファレンスを通し、チームビルディングだけでなく、技術的な内容、ビジネス面、プロダクト成長など、様々な分野の視座を獲得することで、チームにより大きな貢献をすることができます。

特に、バランスを取る上では、開発だけ、ビジネスだけ理解しているだけでは取りにくく、どちらの視座も理解しておく事で、どちらの話も理解ができ、よりプロダクトの成功に貢献できます。

SMの先にあるもの

最後に、価値とは少しズレますが、SMの先にあるものは何か?と言う問いも自分なりに考えてみました。

色々と調べてみた結果、自分の中で、SMの先にあるものとしては、ビジネスやプロダクトに強ければPM、技術に強ければEMとなっていくのかなぁと思いました。

PM、PjM、EM、SMそれぞれの役割を考えた時、挙げたそれぞれのミッションはそれぞれバラバラだと思っています。

しかし、SMについて色々考えてみて分かった事として、PM、PjM、EM、SMどれも共通するのはチームの成果を考える必要があると言うことです。

おっと。もう一つアジャイルコーチと言うのもありますね。
チームをアジャイルな状態に導く事に特化する場合はこちらになるのかもしれません。

何にせよ、最終的には、自分の価値を理解して、どこを伸ばしたいかを決め、価値を作って行くのが正しいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?