0572 日本酒が背負うもの
以前記事に書いたけれども、読んだ後に考えたことを書くというテーマでマガジンを作ったので、書いていく。
この本で印象に残っているのは、新政だ。
もともと好きなお酒で、あまり居酒屋で見かけることもないし、酒屋でもほぼ見られない。あればすぐ飛びついて、ちょっと高いけれど、飲んでしまう、そんなお酒だ。
そんなお酒をどういう考えで醸しているのか。
仕事に迷っている時期に読んだので余計にぐっと来たものだった。
言われたことを言われたままにやるのではない。自分はどう考えるか、目標はあるにしたって、過程をどうするか。
そういうことにきちんと軸足を置いて仕事をしたいと感じた言葉だった。
それを読んだ2年後に、管理職を辞めるのであるが、まさに私が所属する組織の管理職は、思想なんて持っていてはやっていけないもので、私のようなタイプの管理職は必要がなかった。
この言葉がなければ、後ろめたい気持ちで退職までいっていたかもしれない。でも、今の仕事への”思想”はあるから、今もまだ、頑張れていると思う。
思想はここにある。
おいしいお酒を作るのもそうだけれど、根っこの部分には、酒を育む地元への思いがあるのだ。
仕事も、成果や他人の目、自分の満足の為にやるのではない。
私の仕事が、遠い将来に誰かを支えているような、そういう仕事をしたい。
そして、今までもそうしてきたし、これからもそうしていきたい。
芯のある言葉を心に留めておくと、ピンチの時に戻ってこられる場所になる。
逃げたくなった時、逃げ方に筋が通せる。「ただ逃げた」だけでは、引きずることになってしまうから。
そんな言葉を持って作るお酒だから、おいしいのだろう。
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