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0544 正解はない世界で

あんなに笑って、楽しそうにしているのは、それが「芸」だから。
私たちは彼らの演技を見ているだけで、本当の姿はそこにはない。

上島竜兵さんが自殺した時、そんなことを思ったものだった。
テレビを本気にしてはいけない。脚本があって、それに沿って彼らはカメラの前に立ち、私たちに、私たちが求めているものを見せてくれているだけなのだ。

だから、どんな人だったのだろうかという興味で、上島光さんの本を買った。
まだ届いたばかりで読んでいないが、ペラペラめくっているだけでも涙が出てきそうになる。

他者の悩みや悲しみ、苦しみをまともに受け止める人だったのかもしれない。
だからこそ、人が笑うポイントが分かるのかもしれないけれど。
何もない無こそ、闇の中こそ安寧がある…
しんどさが分かるから、私もしんどい。

まじめに受け止めるのは馬鹿のやること、とよく母親に言われたものだし、今も職場で、まともに話をするなと言われて、ムッとする。
そんな簡単に受け流せるのだったら、苦労しない。
何とかしたくなって、でもできない自分にもだえ苦しむのは、馬鹿だからか、ただの劣等感の穴埋めなのか…

この本を読むのは辛そうだ。
辛いけれど覗いてみたい。
私がふとした瞬間に、あちらの闇に興味を持った時、相方氏の顔を思い出せるだろうかと考えながら、読んでみたい。

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