【読書】『ミムスー宮廷道化師』/本物の賢さとは何か
「宮廷道化師」というものについて、この本で初めて知った。
なんて過酷な制度だろう。
この本はフィクションだけれど、「宮廷道化師」というポジションは、中世ヨーロッパに実際にあったらしい。
「宮廷道化師」。
王や貴族のそばにいて、楽しませると同時に、笑いのうちに皮肉ったり批判したりする役目も負う存在。
賢と愚、真と偽、正気と狂気、そのはざまでトリックスターとして生き、階級や秩序をひっくり返しまぜこぜにして、世界を祝祭化する存在。
王に軽口を叩ける唯一の者でありながら、その扱い