絵本作家おーなり由子さんがご自身のお子さんが赤ちゃんだった頃のことを綴ったこの本は、こんな素敵な「はじめに」から始まります。
小さなひととの毎日は、おもちゃ箱暮らし
小さなひとと毎日をいっしょに生きることは、おもちゃ箱のなかで暮らすこと。
そんな、普通じゃない「ふつう」をとてもよく表しているこの「はじめに」が、わたしはとてもとても好きで、ときどき、読みたくなります。
子どもを育てる幸福ーときに逃げ出したくなるけれど
子どもを育てるということは、ふつうじゃない。
ぜんぜん、ふつうじゃない。
命がけで産み落とした直後から1秒の待ったもなく、
言葉のない世界の中で、
生まれたばかりのむきだしの、
心と体が差し出されるのだから。
それはもちろん大きな喜びではあるのだけれど、ときに、どうしようもなく逃げ出したくなるようなことでもあって。
そんなとき、子どもの寝息を聞きながら、何度もこの本を開きました。
ああ、わたしと同じ思いのひとがいる。
そう思いながらぱらぱら読むうち、子育ての幸福を思い出し、いつのまにか胸の中がひかるような気持ちになって、また、笑えるようになっている。
わたしの子育てに寄り添ってくれた大切な本。
子育てをしたことのある方にもない方にも、おすすめです。
無条件で求められた日々
最後に、これもわたしの大好きな、
「あとがき」の一部をご紹介します。