母の生きがい
私には高齢の母がいます。
2年前に夫に先立たれ、しばらくは遺品の整理などで忙しかったようですが、今年の猛暑でそれもはかどらず、すっかり弱気になってしまいました。
それに加えて、主に面倒を見ている兄家族との折り合いが悪く、私がたまに様子を見に行くと、よくあるドラマのように、兄家族への不平不満を言ってきます。
話す相手もいないのだろうと、ただただ聞いていましたが、私も時々聞くのが嫌になり、「そんな暗い話は聞きたくない」と話をさえぎってしまうことがあります。
先日、いつものように愚痴を聞くのが嫌になって話をさえぎると
「もう生きていても仕方がないから、早くお迎えがくればいい」
などと言い出しました。
これも愚痴の一環とは思いますが、やはりそんなことを言われると、娘としては心配になります。
何とか気を取り直してもらおうと思い、母に前向きになってもらうよう、あの手この手で気をそらしました。
私の記憶にある母は、頑張り屋で、家ではちまちまと手芸をやっていました。
それを思い出して、家のいたるところにある母の作品を指さし、こういうのをまた作ってほしいとお願いしました。
作ってくれたら、それを私がネットで販売するから…と。
最初は「疲れるから」「ゆっくりじゃないと作れないから」などと気乗りしない様子でしたが、母のささやかな作品たちをほめまくると、その気になったようで、「じゃあやってみる」とちょっとだけ前向きになりました。
とりあえず一安心。
そして…私は高齢者の生きがいって何だろうなぁ…としみじみ考えました。
不景気で、年金も先行き不透明で、出生率が低くて、私が後期高齢者になったときには、先に希望など持てるのだろうか??
いくつになっても、「好きなこと」が生きる希望につながるのだなぁ…と改めて感じました。
私の場合は、年をとっても乙女チック漫画を読んだり書いたりを続けていきたいな…。
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