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本の感想「暴力を知らせる直感の力」ギャヴィン・ディー・ベッカー

著者はアメリカで長く暴力犯罪から身を守る助言や、身辺警護を生業としているスペシャリストの方だそうです。自身も危険の溢れた家庭に育ちながら、そこを起点に培った知恵を活かしてこのような職業につくようになったようでした。

本の中で扱われている事件はアメリカらしく(?)本当に命に危険が及ぶようなケースが多かったですが、悪質な嫌がらせに対する対処法も記されています。
対応として本のタイトルにある「直感」を、人間に自然に備わっているサイレンのように利用出来るとして着目しているのですが、著者の言う直感とは、常に起こる不安や思い込みなどとは、はっきり区別されており、近代になるほど、人間が横におしのけてきた自然に起こる感覚のことを書いているようでした。そんな直感の扱い方、不安との分け方が書かれています。

読んでいて、なんとなく、暴力事件の最中に長年身を起きながらも、著者がいたって健全な心をもっているように勝手に感じたのですが‥もしそうだとしたら、それは全力をつくして仕事しながらも、無意識に、境界線を超えないようにしているようにでも思えました。
時には、適度に鈍感になること、踏み込み過ぎないことも、自分の心を守る術になります。そんなことも考えさせられた本でした。

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