コロナ禍で失業した人と人手不足の介護施設を繋げるサービスはないのか

コロナ禍で職を失い、若くして住むところもなくなってしまった人のニュースを見た。そういう人はこの1年でたくさん増えたと思う。

一方、介護施設は変わらず人手不足だ。常に人が足りないという施設は私が働いているところに限らず、日本全国でそうだと思う。デイサービス等の通所施設はコロナ禍でいろいろあったと思うが、入所施設に関してはコロナのせいで休みになることはない。それどころかどんな災害があろうともその施設に住んでいる人がいる限りは仕事をしなければならないのだから、ある意味安定しているともいえる。(それが辛いときもあるが)

超高齢社会の日本。この先さらに介護職の需要は増すというのに、働く人は一向に増えない。まぁ原因はいろいろあるが、コロナ禍で仕事をしたくてもできない人がいるのに、なんで介護職は増えないのだろうとニュースを見る度に思う。

もちろん介護は誰でもできる仕事ではない。一緒に働いている人でさえ「向いてないよな」と思う人はいる。どんな仕事にも向き不向きがあるが、対人援助だから尚更かもしれない。

しかし、「今まで全然違う仕事をしていた」「介護の知識がない」「お年寄りとほとんど接したことがない」という人でも介護職はできると個人的には思っている。実際、全くジャンルの違う大学を出て未経験で入職した人もいるし、そういう人がもう何年も働いている。

学校で勉強していても、働き始めると一から学ぶことが多い。利用者を相手にするのは実習くらいだろうし、なにより利用者一人一人の状態が違う。トランスや更衣介助も、体重や腕の可動域が利用者によって違うので実際にやってみないとわからない。
入職したら未経験でも介護技術は丁寧に教えてくれるはずだ。私も職員についてもらって本当に基本的なことから教えてもらった。知識だけあってもダメなのだ。

都道府県もしくは市町村が失業者と介護施設を繋げるサービスを作ってくれれば、失業者は仕事を得ることができるし介護施設は人手不足を解消できるはずだ。
あとは、例えば面接時にスーツを用意できなければ私服を許可するとか、安い物件を用意して住むところの援助をするとか、行政や施設が協力して働き始めやすい環境を作れればいいと思う。

正直、現場としては「午前中だけ」とかの短時間でも人がいてくれると助かるのだ。フルタイムで働いてくれるなら万々歳だ。(経営者はどう考えてるかわからないが…)
介護がどうしてもできないというならば、清掃なり送迎なり、仕事があるのではないか。そこら辺は施設によって様々だとは思うが、うちの施設ではそこも人手が足りていない。

知識がなくて不安ならば、介護の基礎知識をまとめた資料を作成しておいて、面接前に配っておく。面接時に簡単なテストをすれば、やる気があるのかどうかも判断する要素になるのではないか。

繰り返しになるが、介護は誰にでもできるというわけではない。向き不向きはある。もちろん大変な仕事だ。
ただ、失業して住むところも食べものにも困っていて、真剣に仕事を探しているのであれば、万年人手不足の介護職としても働いてくれる人がきてくれると助かる。やる気があるのであれば、一度介護の仕事をしてみてほしい。もしかしたら向いてるかもしれないし。

仕事をしたくても仕事がなくて困っている人が減って、同時に介護職の人手不足が解消されればこんなに良いことはない。本当に誰かどうにかしてほしい。

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