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いろんな人になれる人

フォーマルな服装をする機会の多い季節。
そういう場に居合わせると、すっと背筋が伸びるよう。


そこで思い出したことがある。

数年前の式の時、たまたま前に座っていた子のお母さん。
綺麗目の雰囲気で、髪の毛も巻いて、鼻筋も通っていて、リップラインもきっちり縁取って口紅をのせている。
どこか出で立ちも静々としており、ネイルも気を抜いていない。
私はその人に、近寄りがたい綺麗目系の人、というレッテルを貼った。


でもそれから子どもを通じて仲良くなってみると、全然雰囲気が違うのだ。
どちらかというと普段着はスポーティで、元気なビタミンカラーを好んでいる。
スカートより断然パンツだし、ヒールよりスニーカー。

リップもそんなに強調してない自然な色味。

誰とも気さくに話すタイプで、最初に見た時とは印象がガラリと変わったのだった。

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私はというと、多分元々濃いめの顔のパーツが多いので?(自社調べ)、顔立ち的にしっかりメイクすると、やり過ぎ感が出てしまう。
舞台メイクのような?
化ける、じゃなくて本当の“お化け”になってしまいそうだ。

そんな理由もあり、はたまたメイクがそこまで上手でもないという理由もあり、そこまで「してます」感の出るメイクはしない。

子どものクラスメイトのお母さんのように、“化け”られない。

髪型を変えても、服装を変えても、イメージが変わらない。どんな場面でも、私は私。私以上のものにはなれない。

本当はちょっと化けてみたい。
何者かになってみたい。

だから、いつもと違うメイクをしても、新しく服を買おうとウインドーショッピングしていても、「どうせ、あんまり変わらないんだから。」という諦めの感情が頭を擡げて来る。


世間一般の人は、だいたい私みたいに、どんなに手を加えてもあまり元の雰囲気が変わらない、変えられない人と、
すこし手を加えただけでガラリと雰囲気を変えられる人がいるように思う。

その違いはなんなんだろうか。
元の、その人から滲み出す雰囲気が濃いか薄いか、だろうか。
でも前述のクラスメイトのお母さんは、決して雰囲気が薄い人ではないのだ。

答えはわからないままだ。

そうやって、場に合わせて雰囲気を変えられる人を少し羨ましく思う。
メイクしても大きく雰囲気が変わらない毎日を過ごしながら。

#メイク #変身 #雰囲気 #化ける #つぶやき #薬剤師 #散文

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