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コミュニケーション力は1日にして成らず

ハシロウのコラムで「コミュ力強者」という言葉をいただきましたわくい犬です。おどろいた。

まず原因となったXのつぶやき

上記ツイートは「異世代の人と何を話すの?」と聞く人に対してのアンサーです。私は「どんな異世代とも話せる」とは言っていません。「気が合うから友だちになった」だけです。知り合ったきっかけはだいたい仕事とかだし。

例えば異世代交流カフェで20代男子が話しかけてきたとします。その人は異世代で交流したいのだから、「おばさんと話したい」人なわけですよね。
なにを聞かれるんですかね。年齢の話?
こういう場所でこそコミュ力が必要とされそうです。

私は、年齢は単なる数字だと思っているので、それで上下関係を作ったり、年齢や性別で話が合うとか合わないとか考えたことがありません。「異世代と話したい」と考えること自体が、人を世代で分断しているようで矛盾を感じます。

「異世代間交流したい人」には興味がないので別に聞きたいこともないため、興味のない相手とのコミュ力はゼロです。「年上の女と話したいとか、なに期待してんですか?」とか聞いてBANされそう。

そもそもこのあたりのニュアンスが伝わってないあたりで私のコミュ力が大したことない証拠だなあ。


コミュ力を学んでもなお失敗

私は10年くらい前まで、大変なコミュ障でした。
人を怒らせるなんて日常茶飯事だったし、仕事なんか山ほどクビになったし、変わり者と言われていたし、好き嫌いが激しいので、友だちなんかほとんどいませんでした。
初対面の人は、なにを考えてるのか分からないし、傷つくこと言われたりするので、人と知り合うこと自体が面倒くさかった。

でも友だちが少ないと、今いる居場所を守るために、我慢しなければいけないことがたくさんありました。
「この人と縁を切ると、他に友だち(や仕事)がなくなるから我慢するか」みたいな。

だから、関わるとストレスを感じる相手とは距離を置けるように、たくさんの選択肢が持てるようになろうと思いました。
コミュ力はそのためのツールです。

心理学系の知識にはかなりのお金と時間を費やしました。
私は自分と異なる意見の人が許せないタチなので、他人の考えを尊重するのに、NLPやエニアグラム、アンガーマネージメントを学びました。
いろんな人と話を合わせられた方が会話が盛り上がるので、いろんなことに興味を持ち、人から勧められたものは積極的にトライしました。上記講座も、あまりのコミュ障っぷりを心配した友だちからの推薦です。

失敗は山ほどあります。下出に出すぎて上下関係ができてしまったり、謙遜のつもりが愚痴になっていたり、我慢しすぎて突然ブチ切れて縁を切ったり、なかなかうまい関係は築けませんでした。

社会に求められることと、自分でできること

確かにコミュ障は他人とコンフリクトを起こすことが多いので、生きにくいです。

その生きにくさの解消法のひとつは社会にもあります。例えば自分の意志に反して汚言を吐いてしまう「トゥレット症」という病気があることや、聴覚障害で声をかけられても気づきにくい人がいることなど、他人の特性を理解する基礎的な知識はもっと広まるべきです。多様な能力、多様な価値観をお互いに尊重し合い、多くの人が知識を持つことで、生きやすくなる人は増えるはずです。

一方で個人の努力で生きにくさが軽減することもあります。私は、自分にできる解決法として、コミュニケーションの知識と経験を蓄えました。

そしてハッキリこれだけは決めました。
それは、私に「なにかを改善しろ」と言ってきたり、私を否定してきたりする人とは関わらないことです。
アニメやドラマのセリフによくあるような「どうして××しなかったの」とか「××してほしかった」とか過去の私の行動を否定する人も距離を置きます。
あなたの望むことを、先んじてこちらが行動するのは不可能ですよ。「そうするのが友だちとして当然」と思うのなら、そうしてくれる人と友だちになってください。

私は人との距離感がおかしいので「やべっ! 余計なこと言ったかな」と思うことはしばしばです。
でもその至らなさを許してくれるか、ちゃんと話し合いできる友人としか付き合いません。

一方で何かが分からなかったり、悩んだりしたときは、相手の年齢にかかわらず、その知識を持っていそうな人に相談します。申し訳ないと思ったら素直に謝ります。
自分を肯定する人としか関わらないことと、自己研鑽を積まないことはイコールではありません。

逆に私が、「何かを改善して欲しい」「尊重できない」と思う人とも深く関わりません。
自分がされたくないことは他人にもしません。
自分が尊敬できる・好きだと思う人とだけ、友だちになっています。
友だちとケンカになったらとことん話し合います。

コミュ力とはなにか?

人から一方的に嫌われると、勝手に距離を置かれて自分で付き合いをコントロールできなくなってしまう。
コミュ力は、他人との距離感を自分でコントロールして、自分の望む人と、望む関係を築くためのツールです。
苦手な人とうまく距離を置くのも、コミュ力のひとつです。
自己肯定感とコミュ力は結びつきやすいですが、実はけっこう切り離せるものです。
「自分を否定する人・尊重しない人とは付き合わない」
と決めるだけで、かなり生きやすくなります。

無理にコミュ力を上げなくても、
「俺はこの道を行くぜ」
と胸を張るのも、いいと思います(『虎に翼』のよねさんですね)。
大事なのは自己肯定感。

私は、自己肯定感を大事にして我が道を行っていたら仕事も友だちも全部なくなったので、さすがに困り、なにか根本的に考え方を変えないとダメだと思いました。
そうしてようやく「コミュ力は、自分の選択肢を増やすツールだ」と気づいたんです。

コミュ力は、さまざまな集団を横断して所属できるカギです。
覗いてみた集団が、私の尊厳を傷つけたり、私が大事にする考え方と合わないようなら距離を置きます。今、私の周囲は、ステキな人たちばかりになりました。以前なら考えられないことです。

私は多くのカギを手に入れたいと思ったので、知らない人と関わらなければいけないなど、多少のデメリットには目を瞑っています。
会社代表が「初対面が苦手」とか言ってる場合じゃないしね。

主語を小さくすれば、物事は簡単になる

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