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チムニーと女の子.40  .... 鐘が鳴るとき

 2020/11/23 21:17


「 チムニーと女の子.40  .... 鐘が鳴るとき 」



......

鐘が 鳴った と 同時に  風が  吹いた。


街路樹の枝葉 を 揺らし

風が 線を 描く....


頰に触れる 風が 冷たく

人々を  家路へと急がせて......。




….



水色のモヘア....

ふわふわの knit の セーターが 機敏に動き回り まるでダンスを踊るように……。

屋敷のキッチンで晩餐の準備を始める。




ブルー&ウィロー*の お皿と 一緒に

TG. Green の ブルー安堵ホワイト  カップ&ソーサーも

次々に 並べられていく。

古く1800年代から 続く ブルー&ホワイトのライン。

独自の製造法で 長い行程を経て 描かれるボーダーライン。

年代はそれぞれに、刻印や色味も少しづつ  ニュアンスが変わっていく......

ティーポットの出番は もう少しだけ.. 時計の針が回った後に….。


荒々しい木肌 Old pine のロングテーブル。

そっと 、風になびかせ 広げた 洗い立ての亜麻色のテーブルクロス。



鋳物の鉄脚のその側に 真っ白い大きな犬のピート君と、

そのふわふわの白く長い毛並みを枕にして心地好さそうに

猫が二匹、ちいさな額を寄せ合って眠っている。

一匹は 深い眠りに小さな可愛らしい寝息をたてながら。

もう一匹、ストーンカラーの毛並みに水色の瞳のちいさな猫が 

目を開けたり、閉じたりと..         うつら うつら....

夢の世界へ 行ったり来たり....。




テラスの向こう側、ダイニングに続く 中二階

水色のモヘアのセーターが 合図すると、

お鍋のスープの見張り番に、やって来たのは?


カールした 白い羽根 が ふわふわと 揺れる。

大きな 翼は、今日は 閉じてね。 ( 興奮すると赤く染まる翼.... も..)


今夜は 少しだけお洒落をと、羽根をカールしてもらったの。

いつもの定番のケープ?ポンチョ だけど、

ほらっ! ケイトウの花*でできた 真紅のベルベットの蝶ネクタイをして。

素敵でしょ。大きな翼のロングコートは しばし クロークへ。


お鍋のスープには、ローズマリー,ソルト&ペッパー… etc  ハーブをたっぷりと。

そろそろ スパイスを投入してね。

ひよこ豆も 入れましょう。

最初に入れて 柔らかくコトコト……。





knock..ノック  knock..ノック....

ドアをノックする 音が 聴こえてきたわ。


最初のお客様は だれかしら?!


( お届け物です。お届け物です。

       どうぞ....こちらを お持ちください....  コチラを どうぞ....  )


AI の配達屋さん が 運んできたのは、小さなギフトボックス。

チップの替わりに笑顔で挨拶を。AI の画面に顔を近づけて 
スマイルで受け取りの顏認証を。




Chocolatカラーの包み紙   
水色のリボン 
ちいさな贈り物 


ひとまず テーブルの上に。



......

タイヤが 回る音、エンジンの音が 近づいてきました。

.... 車が 到着したみたい。

あら、お次は 誰が到着かしらと、ママンは エントランスへ。




プップー!! プップー!!

ピスタチオカラーのトラックが 屋敷の前まで到着すると、

クラクションが聞こえてきました。


門扉を 開けて と 合図しています。


「 誰か、手が空いている人はいる? 」


この スウィッチ壊れてるの?
ゲートを開けるスウィッチはどれ?



「 ゲートを、表のゲートを 開けてきてください!!」


『 えっ、あんなに重いゲート、一人じゃ無理だよ。なかなか開けられないわ。 

    誰か一緒に…… 』


( 指を 回して くるくる くるくる....  )


黒い鋳物鉄のゲートが ガガガ....ガガ......  と、低い音を 立てながら

ゆっくりと、開いていきます。


( 指を 回して くるくる くるくる....  )

どうやら、今夜は特別に  羽根をカールした お洒落さんが 

開けてくれたみたい。 ウフフ .... フフ 



ピスタチオカラーのトラックが ゆっくりと進み、

両サイドに 開かれた 鋳物鉄のゲートの脇を 進んでいく。
四つのタイヤをくるくる 回転させながら......。



運転席には丸眼鏡を  かけ直した 
おじいさんが、手をあげて
中二階のエントランス、階段の上にいるママンに 挨拶を。 

ウインクを2回すると トラックは そのまま真っ直ぐ 奥へと進み
木製の小屋の前で停車しました。
運転席のドアが開きおじいさんが 軽やかに車から降りてきました。




あっ、そこには・・・
おじいさんの 足元には、大きな水たまりが・・・

おじいさんは ひょいと 軽快にそれを避けると、
荷台から何かをゴソゴソと、取り出している様子。


トラックの荷台には 車体と同じ、ピスタチオカラーのシートが掛けられていて、
その中から 取り出したのは、大きなティーツリー の木。

「 よいしょっ 」 っと、 それを両手で抱え上げて 
 屋敷の中庭へと運びます。


中庭の真ん中に それを置くと、今度はトラックに戻り  助手席側へ。
ドアを開けると濃紺の薄布のカバーをさっと 剥ぎ取りました。

「 さあっ、行くよ!! 」 

声をかけて、それを助手席のシートの上から運び出しました。

それは、真鍮で作られた大きな鳥かご。
その鳥かごの中の主に声をかけて歩きすおじいさん。


ママンの屋敷の中二階のエントランスへと続く

外階段を  一歩 一歩 

鳥籠の主と 一緒に 進んでいきます。


チェックのハンチング帽にネルシャツ。
焦げ茶色のヘリンボーンのベスト。
老紳士のブーツは 階段を 上がって 進んでいきます。





つづく……。





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ご覧になって下さりありがとうございます。今後とも どうぞよろしくお願いいたします。