ブラック企業アナリスト 新田 龍
ブラック企業撲滅完全マニュアル(2) ブラック企業の抜け出しかた
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ブラック企業撲滅完全マニュアル(2) ブラック企業の抜け出しかた

ブラック企業アナリスト 新田 龍

(2021年3月1日更新版)

「ヤバい!!この会社、ブラック企業だ… 分かってれば入らなかったのに…」
「すぐにでも逃げ出したいけど、仕事も忙しいし、とても辞められそうにない…」
「辞めたら損害賠償請求だって… 給料も貰えるか不安だし、どうしたらいいんだろう…」

このマニュアルは、ブラック企業にウッカリ入ってしまったり、明らかに自分に合わない会社にいたりするのに、諸般の事情で「なかなか辞められない…」という悩みを抱き、転職にあと一歩踏み出せないあなた、そして「ブラック企業からスムーズに抜け出すにはどうしたらいいでしょうか…?」といった相談をよく受けるあなたのために書いたものだ。

世の中には劣悪な労働環境の会社、いわゆる「ブラック企業」が溢れている。「そんな会社に入るのは絶対イヤだ!! でも入ってみないと分からない…」というジレンマに苦しんでいる人、「いい会社だと思って入ったら、とんでもないブラックだった!! あの時に戻ってやり直したい!!」と後悔の念に苛まれている人は多いことだろう。

同様に、ブラックな労働環境にまつわる相談を受けたものの、「『辞めろ!』と言うべきか、『逃げるな!!』というべきか自分には分からない…でもなんとか役立つアドバイスはしてあげたい…」という人もいるはずだ。

そのような「ブラック企業の抜け出しかた」に対するノウハウとアドバイスを詳しく記したのがこの「完全マニュアル」だ。長年のノウハウが凝縮されているので有料ではあるが、内容については転載、引用、ウケウリなど完全にご自由である。ぜひ広く知らしめて頂き、ブラック企業で苦しむ不幸な人をこの世から無くしたいと考えている。

【目次】
・ブラック企業アナリスト新田龍とは
・そもそも「ブラック企業」とは
・ブラック企業は全てが悪なのか
・ブラック企業の見抜きかた/見分けかた
・ブラック企業の抜け出しかた

<退職の基礎編>
(1)退職の大前提「あなたはいつでも自由に辞められる」
(2)転職を決意してから退職手続が完了するまでの「社内での過ごしかた」
(3)退職意思を切り出す時期とタイミング
(4)スムーズな「退職意思の伝えかた」
(5)「退職届」か「退職願」か

<退職慰留、在籍強要への対抗策編>
(6)「至らない点は改善する。給料も上げるのでなんとか残ってほしい」と懇願された
(7)「有期雇用だから、契約期間の途中では辞められない」と言われた
(8)「退職は認めない」「退職届は受け取らない」と言われた
(9)「お前が辞めたら仕事が回らない」「辞めるなら代わりの人を探してこい」と言われた
(10)「有給休暇はとらせない」と言われた
(11)「給料は払わない」と言われた
(12)「退職金は出さない」と言われた
(13)「損害賠償を請求するぞ」と言われた
(14)「懲戒解雇にしてやる」と言われた
(15)「離職票は渡さない」と言われた

<違法性が疑われる行為への対処編>
(16)「この業界に居られなくしてやる」と言われた
(17)「転職先の会社にお前の悪い噂を流す」と言われた
(18)「新しい仕事先に邪魔しに行ってやる」と言われた
(19)「退職を撤回するまで帰さない」と監禁された
(20)「辞めたらどうなるか分かってるんだろうな」「簡単に辞められると思うなよ」と脅迫され、殴る蹴るの暴行を受けた

・退職代行サービスを利用するメリット・デメリット
・弁護士に依頼するメリット・デメリット
・労働組合(ユニオン)を頼るメリット・デメリット
・ブラック企業被害者を増やさないために
(付録)今の会社、「勤め続けても心配ないパターン」と「要注意パターン」一覧


・ブラック企業アナリスト新田龍とは

私は2008年頃から「ブラック企業アナリスト」を名乗り、ブラック企業問題や労働問題を報道したり、ブラック企業にまつわる様々なトラブル解決を手掛けている。表向きはコンサルティング会社「働き方改革総合研究所株式会社」の代表取締役として、全国のあらゆる組織の労働環境改善サポートもおこなっている。どちらも大切な本業だ。
(なぜ私がブラック企業アナリストをやっているのか、という原体験や経緯については別のnoteに詳しく述べているので、宜しければお手すきの時にでもお目通し頂きたい)

同時期よりTwitterも始め、今や6万人を超える皆さまにフォロー頂いており有難い限りである。仕事柄、自社のお問合せページやSNSのダイレクトメッセージ経由で、ブラック企業にまつわる様々な相談や告発を頂戴するのだが、その数があまりに多く、また実務でも多忙なためなかなか全てにきちんと返答し切れないことを不本意に感じていた。

今回noteを執筆したのは、その中でも最も多くのお問合せを頂戴するテーマ、「ブラック企業の抜け出しかた」についてまとまった情報とノウハウを開示し、多くの方に正確な情報を知って頂きたいと考えたからである。

というのも、世の中にあふれる無料の「退職マニュアル」や「ブラック企業を辞める方法」といった情報には、発信者によるバイアスがかかっているからだ。それが弁護士によるものであれば「弁護士に依頼しろ」、労働組合であれば「組合に加入しろ」、退職代行サービスであれば「退職代行を使え」というふうに、自社サービスに誘導する内容が含まれることになる。もちろん、あなたの抱える事情によってはいずれかのサービスを利用することでメリットがあるかもしれないが、逆に「思ったよりお金がかかってしまった」「円満退職するはずが、関係が悪化してしまった」「スムーズに退職できると思ったら、お話がこじれた」…といったトラブルに発展するケースもあり、当方に相談が寄せられることも多い。

ブラック労働ですでに心身ともに疲弊した人が、さらに退職にまつわるトラブルに巻き込まれて耗弱していくのを看過するわけにはいかない。本稿でフェアな情報を知ってしまえば恐れることはなくなるはずだし、対処法のメリット/デメリットを把握した上であれば、行動も起こしやすくなるはずだ。見えない恐怖や不安におびえるのではなく、解決策を知り、一歩踏み出す勇気を持って頂きたい。

・そもそも「ブラック企業」とは
・ブラック企業は全てが悪なのか

まず大前提となる「ブラック企業」や「ホワイト企業」についての定義と、私なりの解釈、そしてよく寄せられるご質問である「ブラック企業は全部悪いの?」「本人が満足して働いていればブラックでも問題ないのでは?」といったテーマについてはこちらのnoteにまとめてあるのでご参照されたい。

本稿ではブラック企業を「長時間労働の割に薄給で報われない」「ハラスメントが横行する劣悪な環境で従業員を使い潰す」「違法行為を黙認して私利私欲を追求し、社会に迷惑をかける」…といった「悪意ある卑劣な会社」として定義し、そういった会社から余計な被害を受けずにスムーズに辞めるための方法論を提供していく。

・ブラック企業の見分け方

ブラック企業を避けるためには「行かない」「受けない」「入らない」の「非ブラック企業3原則」を心得ておくことだ。そのためには入社前の段階で見抜くしかない。こちらのnoteではそのポイントを、応募段階に沿って「求人広告」「自社Webサイト」「インターネット」「会社説明会・セミナー」「会社訪問」「面接」「入社直前」に分けて詳説している。ぜひ、就職活動や転職の際に参照頂きたいし、これから就職・転職を控えている人にアドバイスする方にもお役立て頂きたい。

では、さっそくはじめていこう。あなたとあなたの大切な人の人生を、無駄にすることがないように…

(1)退職の大前提「あなたはいつでも自由に辞められる」

「そんなにブラックな会社なら、サッサと辞めればいいのに」
「知らないヤツが気軽に言うな!! 辞められないから苦労してるんだ!!」

「ブラック企業の退職」にまつわる、よくあるやりとりだ。実際、私のもとに告発や相談に訪れる方も、

「上司が退職を許可してくれない」
「『辞めたら給料を払わない』と言われた」
「『辞めるなら損害賠償を払え』と脅された」
「『どうしても辞めるというなら懲戒解雇にしてやる』と威迫された」

…など、辞めたくても辞められない事情を切々と訴える。ブラック労働で極限状況にある中で、会社から「辞めるな!」と凄まれたら困惑されるだろうし、「ブラックな会社だけに何をしてくるか分からない…」と恐れるお気持ちはよく分かる。

しかし、まずは落ち着いて頂きたいのだ。本項標題にあるとおり、あなたはいつでも自由に辞めることができる。それは法律で保証されていて、法律上はあなたの方が会社よりも強い立場にあるのだ。その根拠は「民法」に書かれている。

民法第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
1 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から2週間を経過することによって終了する。

「雇用期間の定めのない労働契約」、つまり正社員の場合、あなたはどんな理由であろうが自由に辞めることができ、会社の許可を得る必要もなく、辞めると宣言してから2週間経てば労働契約は自動的に終了するというわけだ。

したがって、「上司が辞めさせてくれない」「会社が許してくれない」などと思い悩む必要は全くない。あなたは憲法で保障された「職業選択の自由」を行使するだけなのである。

(民法では「当事者双方が解約できる」規定だが、使用者側からの解約(=解雇)は、会社に比べて圧倒的に弱い立場にある労働者に著しく影響を与えるため、労働法で規制を受け、簡単には解雇できない仕組みになっている)


…とはいえ、それくらいはあなたもご存知かもしれない。ネット上に数多ある情報の中からこのnoteをご覧になったということは、「法律上、自由に辞められることくらいは知っている」、「…でも…」「…とはいっても…」といった、より深い事情や懊悩を抱えておられるのだろう。それではここからが本番だ。あなたを辞めさせたくない会社側の様々な妨害工作に対してどう対処していけばよいのか、実践的なノウハウを伝授していこう。

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記事は単品でも購入頂けるが、有料記事を2本以上購入頂くならこのマガジン購読がお勧めだ。今後記事が追加されても、価格は変わらない。

世の中には劣悪な労働環境の会社、いわゆる「ブラック企業」が溢れている。 このマニュアルは、「ブラック企業だったらイヤだな…」という考えが…

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ブラック企業アナリスト 新田 龍

頂戴したサポートは、ご自身で充分なお金を用意できないブラック企業被害者の支援や、ブラック企業からの恫喝訴訟など妨害への対処費用として活用させて頂く。

ブラック企業アナリスト 新田 龍
働き方改革総合研究所株式会社代表取締役|労働環境改善、ビジネストラブル解決、レピュテーション改善支援が専門|各種メディアで労働問題・ブラック企業問題を語り、優良企業は顕彰|厚生労働省ハラスメント対策企画委員|著書22冊|https://linktr.ee/nittaryo