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エロス×短歌


以前は全く好まなかったけど、最近は詩や短歌が心に響く。

研ぎ澄まされた、純度の高い言葉が、感性に突き刺さる。

今まで、解説やら論説やらの、理屈ばかりの世界で生きてきた。
今でも、多く読むのは、そのたぐい。
文芸は、あまり興味がなかった。

けれど、今までその世界で生きてきて、
「理屈なんて、何の役にも立たない」と、実感している。

だからなるべく体感するようにしてきたが、ここに来て、詩や短歌の価値に気づき始めたような気がする。

歳か?笑

いやいや、発展と信じよう。


なぜ、こんな事を書いているかというと、先日、りんふぁんさんが「つぶやき」にあげた岡崎裕美子さんの次の短歌が、ことさら心に刺さったからだ。


体などくれてやるから君の持つ愛と名の付く全てをよこせ


結局、エロな話なんだけど(いや、エロ以外の短歌や詩もちゃんと心に刺さってるw)、でも、この何とも言えない、哀切と渇望と空虚さが入り混じった二十六文字にぐっと来た。

嘘がない。余計な物がない。

長い文章は、どうしても嘘が混じるが、まっすぐだ。

岡崎裕美子さん、全く知らなかった。経歴には、こうある。

岡崎裕美子は1976年生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。1999年に「未来」に入会し、岡井隆に師事。2002年に「八月の桃」で未来賞次席となり、2005年に第一歌集「発芽」を刊行した。


他にもいくつか作品を紹介しよう。

二時間で脱がされるのに着てしまうワンピースかな電車が青い

したあとの朝日はだるい 自転車に撤去予告の赤紙は揺れ

なんとなくみだらな暮らしをしておりぬわれは単なる容れ物として

平行線上に非常ベル見えていてされるがままになって傾く

こんな短い言葉で、情景が目に浮かぶように伝わる。


もちろん、エロス以外の作品もある。

こじあけてみたらからっぽだったわれ 飛び散らないから轢いちゃえよ電車

あんなにも輝いていたホタルイカためらうことなく醤油にひたす

豆腐屋が不安を売りに来たりけり殴られてまた好きだと思う

食が作品に登場することも多いという。

食と性愛をからめた作品も多いそうだ。

そういえば、枝折さんのショートショートも、食とちょっとした性がテーマになっていることが多いような。食と性は、文学上で連動するものなんだろう。なんとなく、分かる気はする。どちらも、高度に肉感的で、感覚的なものだ。

僕は経歴が経歴だけに、性を書くにおいても、社会と結びつける傾向がある。この一年でたった2つ書いた小説も、一つは歴史もの、一つは、社会的評価の理不尽さと無意味さをテーマにしたものだった。



もっと感覚めいたものを書いてみたい。研ぎ澄ませてみたい。

ニュース畑の僕に、できるかな。
苦しいだろうが、こんな美しい言葉を紡ぎたい。

しかし、まだまだ、まだまだ世界があって、扉があって、面白い。

特にnoteのすばらしいところは、突き刺さるような言葉と、知らない世界への入口の鍵を貰えるところ。もちろん、コメントのやり取りなどで、深まったり、新たな気づきがあるのも、楽しい。思索の連鎖的な。


この岡崎裕美子さんの詩集『わたくしが樹木であれば』は、売り切れのようだ。定価2,200円が、Amazonで14,759円というバカみたいな値段がついていて、とても買えない。業者のバカヤロウ。

青磁社さん、ぜひ第3刷をお願いします🙏

あ、りんぁんさん、もし見つかってしまったら、分かると思いますけど、岡崎さんの詩があまりに心に刺さって書いただけなので、適宜スルーで😆


ネットで検索したら「ネット乞食」という言葉に出くわしました。酷いこと言う人、いるなー。でも、歴史とたどれば、あらゆる「芸」は元々「乞食」と同根でした。サーカス、演芸、文芸、画芸しかりです。つまり、クリエイトとは……、あ、字数が! 皆様のお心付け……ください(笑) 活動のさらなる飛