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第56話「プロポーズ報告」

 プロポーズした夜、あおさんからLINEが来ました。

今日はありがとう。
びっくりしちゃってごめんなさい。
でも嬉しかった!
これから色々大変なことがあると思うけどよろしくお願いします。

 これはプロポーズを承諾してくれたと受け取って良いでしょうか! 思わず家の中をウロウロしてしまいました。嬉しい。

 その次の日の夜、またあおさんからLINEが来ました。少し不穏な内容でした。
 まず、両親に報告したらかなりビックリされたということ(私のことをまだ一度も言ってはいなかったため、青天の霹靂レベル)。そしてそのビックリが怒りに変わり、かなり荒れているとのことでした。
 それを聞いて、私は生まれたての子鹿のようにガクガク震えました。不安になり急いで検索。

「両親 挨拶 プロポーズ 順番」

 ゼクシィ大先生によると、「プロポーズ後に両親への挨拶でOK」と書いてあり、少しホッとしました。

 向こうのご両親は、「会う前にまず身の上を教えろ。釣書を送れ」と仰っているようです。
 釣書?
 つりしょ? つりかき? それは何ぞ?

「釣書」とは

 釣書とは、縁談があった際に相手と互いに渡し合う書面のことで、「つりがき」あるいは「つりしょ」と読みます。一般的には、釣書とは関西圏での言葉であり、関東圏では「身上書」と呼ばれているものです。就職に例えるならいわば履歴書、釣書に書かれてあるプロフィールやイメージ次第で、お見合い話の展開も変わってきます。(参照:Wedding Park

 本来はお見合いなどで用意するものっぽいですね。
 全然問題ありません。私のことを知ってもらうためならいくらでも書きます。氏名、生年月日、住所、学歴、職歴、勤務先、資格などなど。身長や体重まで書くようです。
 唯一書きたくないと思ったのは年収です。しかしここは避けては通れないところ。当時転職したてというのもあって、かなり低い状態でした。小声でも言いにくい金額です(記事を書いてて気づいたのですが、プロポーズのタイミング完全に間違えてましたね)。そしてちょうど給与交渉を会社にしている最中でした。一応この情報もご両親に伝えて欲しいとあおさんにお願いしました。
 釣書はこれで完成です。
 ご両親への手紙も書きました。自己紹介とご挨拶が遅れたことによる謝罪。デザイナーという職業もピンと来ないようだったので、ポートフォリオ(クリエイターが実績をアピールするための作品集)も付けて、郵送! 
 人事を尽くして天命を待ちます。

 この時私は楽観的に考えていました。
(ご両親が怒ることはドラマでもよく見るので想定内。何だかんだ言っても大丈夫だろう)
 しかし……。

(続く)

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