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【日記】結繋/2022年12月16日

“早送り再生の夢”は見なかった。全身の怠さも抜けている。おそらく熱は下がったのだろう。けれど、どうにも悪寒だけが抜けない。実際に部屋が寒いからなのか、体調が悪いからなのか、判断しかねる。でも今日は、パーカーを羽織るのをやめた。

 昨深夜、どうにもやめられず、でもウトウトしてミニ電気ストーブに頭をガチンガチンとぶつけながら読んでいた『夏の庭 The Friends』の続きを読む。
 昔から、子どもと動物が主人公の物語はどうにも苦手だったのだが、この物語は何のためらいもなく、すっと入っていけた。少年たちが、近所のじいさんに興味を持った経緯が笑えたからだ。
 このじいさんの暮らしぶりが、自分に重なる。どこまでが少年たち側で、いつからじいさん側になったんだろう。その境界線は、どこだったんだろう。
 甲子園大会に出ている高校球児は、ひとつの“物差し”だった。お兄さんだった彼らが、同世代となり、いつしか年下となり……。いろいろなスポーツ選手もそう。ボクサーたちも、気がつけば、自分の子どもと同世代だ。

 野球のWBCが始まったら、サッカー熱が下火になる、とサッカーファンが憂えていることについて、「どの競技も観て応援して盛り上がったらええやん」と本田圭佑が一笑に付したという。
 自分は、ボクシングはもちろんのこと、野球もサッカーも、その他の競技も観るので、別競技ファン同士がいがみ合う意味がわからない。けれど、風当たりはよく感じる。SNSでドラゴンズのことを書いたりすると、「ボクシングのことを書け」とか。
 何度も書いてきているけれど、野球を観ていて、ボクシングに通ずるものを見つけたり、ボクシングを見ていて野球に繋がるものを発見したり、そういうことがたくさんある。
 ボクシングだけを追求する、いわゆる“ボクシングバカ”は、それはそれで尊いと思う反面、行き詰ったときに抜け出せなくなると思っている。
 いや、別に同じスポーツに限らずだけれども。まったく違う世界のこと、それこそ日常の出来事にもヒントはたくさんあって、それを結びつけられるか否かで大きな開きができてしまうのだと思う。

 いろいろと録りためたものがあってハードディスクがいっぱいいっぱいなのだが、映像を観る気にはどうしてもなれず、引き続き読書。選んだのは『散歩する侵略者』(前川知大)。
『岸辺の旅』(湯本香樹実)同様、消えた旦那が別人になって帰ってくるという設定は一緒ながら、当然まったく別の展開になっていく。そして、いずれも黒沢清が映画化しているのが興味深い。
 読みやすいのだが、ピントがずれていて、常にはぐらかされている感じ。この肩透かし感が、おもしろおかしく、そして怖い。

 昨日ふとカレーライスを食べたくなったので作る。いつもより玉ねぎ多め。鍋は具で溢れんばかり。いつも買う『こくまろ辛口』がなく、中辛になってしまったのが残念で、やっぱり刺激がいまひとつだった。
 いつも2日目でなくなってしまうのだが、今回こそは3日もたせたい。なので、今夜は抑え気味にした。

 カレー効果なのか、深夜に入り、体調が上向いたことがわかる。

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