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【日記】父子/2022年12月29日(木)

※写真は家の前から撮影した空。眺めた星がめずらしく鮮やかに輝いていた(埃みたいにポツポツあるやつ)から思わず撮ってみたのだが、スマホの性能が上がろうとも、人の目にはかなわない。でも、明日は快晴だということはわかった

 体中が火照ってる。この魂を揺さぶる。
……というわけで、昨夜はまったく眠りにつけない。いや、つきたくなかった。目がギンギンだったのだ。ホントは目だけじゃないけれど。
 ここ数年、おふくろが亡くなった6年前以降、はっきりと失っていた性欲が久方ぶりに漲ってしまったのだ。
 とはいえ、夜中にフラフラと出ていくような持ち合わせはない。長年ため込んできたエロDVDを観るのもなんだか負けた気がする。なので、この欲望を封じ込める強さを試そうと、宮本武蔵よろしく(吉川英治の創作上だけどね)、何事も起きていないフリをして(誰に向かってだ?)、ミステリー小説を読み耽ったのだった。
 5:30まで読んでいた。それでもちっとも眠たくなかったけれど、今日のことを考えて横になった。2、3時間寝たのかな。そこへ某ジム会長からちょっと熱いLINEが来て、それを読んでいたら、また別の熱が込み上げてきて、むくりと起き上がった。立ち上がったのは体だけじゃないけど。

 2週間前からの体調不良はもうすっかり回復。蓄膿症による、いつもの右鼻からの水のみになった。すっかり遠ざけていたSNS(Twitter、Facebook)を覗いてみる。そこで思い出した。『ボクシング・ビート』に書いた記事の告知をしておかないと、本当に完全な引きこもりのまんまと思われてしまう、と。
 なので、発売から1週間も過ぎたところでのみなさんへの報告。自分のあずかり知らぬところで、やいのやいの言ったり書いたりしてる者もいるとは思うのだが、そんなものは知ったこっちゃない。ただ、「アイツ(←私のこと)が書いてるから『ボクシング・マガジン』は買わない」と、はっきりと明言していたアンチがかつていたので、今回書いたことで『ボクシング・ビート』も買わなかったんだろうなぁ。売上1部落ちてしまった。ごめん、島くん。

 昼過ぎからNHKで『鎌倉殿の13人』の総集編が4部構成で放映。もちろん録画予約をしたのだが、やっぱり気になってしまい、1、2部だけ観てしまった。
 本放送時、北条義時(小栗旬)の変貌ぶりに日本中が大騒ぎしていたが、自分はとても好意的に観てきた。「あの時代はそりゃあ過激だったけど、いまだってやってることは大差ないやん」って思っていたからだ。殺めこそせずとも(いや、それもあるんだろうけど)、日常的に足の引っ張り合い、蹴落とし合い、抹殺のし合い……。みんな何かしらどこかで戦ってるやん。
 そして、常に感じていたのは金剛(太郎、泰時=坂口健太郎)への深い愛情だ。表面的にはなんもかんも反対し、敵対し合ってきたが、父親の深い愛情が自分には伝わってきていた。それはやっぱり、自分がこんなんでも父親だからわかったのかもしれない。ただ、いちばん身近にいて、あの信念を貫けたのは本当に強い愛情があったからだと思う。自分が子どもたちと一緒に生活していたら、あの真似できなかったと思う。
 総集編の八重(新垣結衣)とのやり取りや、金剛が生まれたころの映像を観て、自分が感じてきたことは間違っていなかったと確信した。そして、形は違うけれど、一見、父親としての役割を放棄してきたように見えて、実は放任して鍛えてきたのだと、思いっきり都合よく自己肯定をした。まったく何もしてこなかった自分が言うのはとてもおこがましいのだが、長男、次男、長女、みんな本当に真っ直ぐたくましく育ったと思う。

 夜、何気なくCSをつけたら、『とんび』(TBS版)を放送していた。ヤスオ(内野聖陽)とアキラ(佐藤健)の父子の物語。すっかり忘れていたのだが、偶然にもわが家と同じ名前。うちの親父は保男なのだった。
『鎌倉殿─』では父親目線、『とんび』では息子目線。はからずも1日で両面を考えさせられた。
 そしてこの『とんび』、おふくろがとても好きな話だった。おふくろは生前、「NHKでやってたのがよかったわよ」と常々言っていた。ヤスオを堤真一、アキラを池松壮亮が演じたものだ。ふたりとも好きな役者さんなので、放送から10年も経っているが、近々機を見つけて観てみようと思う。

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