【3分で海外プロダクト紹介 #20】 Rowy
平日毎日19時に、3分で読める海外プロダクトの紹介記事を投稿するシリーズです。
金曜日は、「Unicorner」を紹介しました。
今日のプロダクト名はRowy。2021年10月17日時点で、Product HuntにてUPVOTEを800ほど獲得しており、2021年10月5日のランキングで2位を獲得しています。
一言で言うと、GCPに接続してデータベースを中心とした業務システムやMVPを作ることができるAirTable(※)のようなローコードプラットフォームです。
※ AirTableとは : データベースを中心に据えた業務システムをスプレッドシートのようなUIで構築することのできるローコードプラットフォーム
GCPを利用されている企業において、AppSheetよりもスケーラブルな業務システムを構築するときの選択肢となる可能性があります。
解きたい課題
現在のノーコードまたはローコードオプションは、ほとんどの場合、柔軟性に欠けているか、機能に制限があるか、スケーラブルではない。
その中でも、データでコラボレーションするAirtableは創業者が好きなプロダクトであるが、スケーラビリティが制限されており、本番アプリと同期されておらず、ストレージが制限されており、アクセスをきめ細かく制御できない。
また、アプリをすばやく構築するためのFirebase(※)も気にいっているが、技術者以外のユーザーにとっては使いにくいUIしか提供されていない。
※ Firebaseとは : GCPが提供しているモバイルバックエンドアズアサービス(MBaaS)。バックエンドのローコードツールと理解いただくと分かりやすいかもしれません。
課題に対する価値提案
Firebaseの機能をAirTableのようなUIで提供することにより、データでコラボレーションする使いやすいUI上で数分で業務システムを構築できる体験を提供する。
また、オープンソースで公開しており、仮にRowyが倒産したとしてもプロダクトは継続される。
ソリューション
▼ データベースを視覚的に管理
▼ ドキュメントを読まずともFirebaseの機能を分かりやすいUIで利用できる
現在、Firestore(データベース)とCloud Functions(サーバレス)、及びサードパーティの利用(ex. Algolia、Twilio、SendGrid、BigQuery、Slack)が提供されています。
▼ スプレッドシートのようなUIや権限管理で、データでコラボレーションすることができる
▼ 利用状況をリアルタイムで監視し、GCPの料金が青天井であがることを防ぐアラート機能
価格プラン
オープンソースであるため無料で提供されています。有料プランはLP上では確認できませんでした。
筆者のつぶやき
今回はローコードプラットフォームであるRowyをご紹介しました。
開発者にとって便利なFirebaseを、AirTableのような非エンジニアでも触れるUIで利用できるようにする思想は非常に面白いなと思いました。
大手クラウドベンダーをはじめとして、エンジニアリングの面倒な部分を機能として提供するサービスは提供していますが、あくまでエンジニアがコードに組み込む前提のものが多いです。
それを組み合わせて非エンジニアでも使えるようにするという思想は、アイデアを考える時のヒントになるかもしれません。
また、RowyはGCPが提供できていない穴(スケーラブルなローコードプラットフォーム)を埋める戦略をとっていますので、最終的にはGCPに買収されることを狙っていくのかもしれません。
大手クラウドベンダーに買収されることを目標に、大手クラウドベンダーが提供できていない穴を埋めるようなプロダクトを開発するのは、リスクはありますが出口戦略が明確なので、個人的には好みです。
明日は、スケーラブルなAPIサーバーをノーコードで構築できる「Xano」をご紹介します。お見逃しないよう、是非フォローをお願いいたします!