見出し画像

あまり知られていない鳥インフルエンザ被害にあった養鶏場の未来

年明けにテレビを見ていた時、こんなニュースを目にしました。
『どこどこで鳥インフルエンザ発生、〇〇〇万羽が殺処分』

一般視聴者であれば、怖いなとか大変だなの一言で終わりますよね。
私が気になった点は、被害に遭った養鶏場は破産しないのかということでした。

普通に考えると分かりますが、養鶏場にとって鶏は事業の要です。
鳥インフルエンザの被害に遭って飼育中の鶏が殺処分されると、事業が立ち行かなくなります。
養鶏場経営にとって死活問題となるのであれば、殺処分に抵抗するオーナーがいてもおかしくありません。
しかし、ネット上で調べても、そんな訴えを起こしている情報はありませんでした。

その調査の中で辿り着いたのが、家畜伝染予防法です。
そこにはこう書かれていました。

(と殺の義務)
第十六条 次に掲げる家畜の所有者は、家畜防疫員の指示に従い、直ちに当該家畜を殺さなければならない。ただし、農林水産省令で定める場合には、この限りでない。
一 牛疫、牛肺疫、口蹄てい疫、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザの患畜
二 牛疫、口蹄てい疫、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性鳥インフルエンザ又は低病原性鳥インフルエンザの疑似患畜

つまり、オーナーが「殺処分をやめてくれ」と訴えるというレベルの話ではなく、法令で決まっているものだったんです。
鳥インフルエンザに感染した鶏がいたとして、何かの拍子で人に感染したら大変なことになってしまいますよね。
国の立場で考えた場合、多くの国民を危険な目に遭わせないためにも、被害に遭った養鶏所オーナーの「家畜を殺さないで」という意見を聞き入れることはできないわけです。

となると気になるのが、被害に遭った養鶏場はどうなるのかということ。
鳥インフルエンザの被害に遭ったら一発退場になるのであれば、養鶏場を経営するのはハイリスクでしかありません。
ですが、そんなリスクに備えて、農林水産省の方でセーフティーネットが用意されています
 ※損失補償額などの詳細はここでは扱いませんので、記事下部にあるリンク先を参照ください
また日本養鶏協会では、鳥インフルエンザ経営再建保険も取り扱っているようです。

これらのセーフティーネットをうまく活用すれば、鳥インフルエンザの被害にあったとしても、経営再建は可能ですよね。
しかし、後継者不足などが理由で、そのまま閉業を選択する経営者もいるはずです。
こればかりは経営者の考え次第なので何とも言えませんが、少なくとも倒産や破産ではない再建の道があることを今回の調査で知ることが出来ました。

近年、鳥インフルエンザの被害が増加中とのことで、卵の供給に支障が出ているようです。
その影響で卵の値段も上がっているらしく、近所のラーメン屋で煮卵入りの商品の値段が上がっていたり、サービス券で煮卵に引き換え出来ていたものがダメになっていたりしています。
卵や鶏肉は色んなところで使われているので、早く供給の問題が解決してほしいですね。

鳥インフルエンザの話は経済ニュースではありませんが、きちんと調べると経済に繋がっているということ。
今回はそんな気付きを与える記事に仕上げました。
ということで、この話は以上です。

最後に記事作成のために参考にしたサイトを紹介します。
一次情報に触れるのが最も大事なので、今回の記事で興味が沸いた方は、リンク先のページを見てみてください。

農林水産省

家畜伝染予防法

一般社団法人 日本養鶏協会

びじさばの自己紹介記事はこちら。

最新記事一覧はこちら。

有料記事一覧はこちら。

お仕事依頼はこちら。

ビジネスでお困りの方はプロフィールページの仕事依頼をご覧ください。 『個別相談20分無料』を毎月10名限定で提供しています。