読書録、きちんと伝えたい人こそ使うべき「超・箇条書き」
「箇条書きや結論だけを明示するコミュニケーションは情報が削ぎ落されすぎている」「情報の機微が伝わらない」そう思って、敢えて長めのテキストを書いていた時期があった。
だが、振り返ると以下のようなことが多発していた。
既に伝えていたはずのことを聞き返される
大事なポイントとしてフィードバックしたはずなのに取り入れられない
結果として失敗する
背景も含め伝えたはずなのに、自分の話が表面的にしか理解されていない
「伝えたはず」なのに「伝わっていない」。
これが現実だ。
「超・箇条書き」の冒頭で改めてこの反省と向き合うことになった。
「ベタ書き」について、こう書かれている。
こうも書いてある。
思考を研ぎ澄ませよう、伝わるコミュニケーションを行おう、改めての決意とともに、「超・箇条書き」のエッセンスをインプットした。
心構え:ベタ書きは伝わらない
ベタ書きと箇条書きの違いを書籍を踏まえて整理した。
ベタ書きの方が伝えられる情報量は多い。
だが、結果として読まれなかったり、部分だけ読まれたりする。
結果、情報が伝わらない、悪い場合には誤って伝わる。
箇条書きに盛り込める情報は少ない。
ただし、余分なものをそぎ落とした箇条書きなら、全てが読まれる、そしてその内容は間違いなく伝わる。
情報量が過多の時代、大事なことを短く、魅力的に伝える箇条書きは重要なスキルだ。
「超・箇条書き」で書くための3つのスキル
超箇条書きは心構えの後、実例を元に具体的なスキルを解説している。
3つのスキルとは以下の通りだ。
構造化(レベル感を整える)
物語化(フックを作る)
メッセージ化(スタンスを取る)
詳細は書籍を読むのが一番。ここでは、個人的に特に勉強になったポイント3つを紹介する。
「ガバニング」で書く際にも「3つあって~」を伝える
「構造化」カテゴリの内容は、ピラミッド構造で整理し、構造やレベル感を意識して記載する、という類の内容で概ね理解しているつもりだったが、「ガバニング」は意識できていないポイントだった。
口頭で伝える際には「ポイントは3つあって」と当然に行っていたが、記載時には漏れていた。
これまでの自分の記載は、以下のようなものだった。
ここで、数字を加えて全体感を示す方がより読み手にわかりやすい。
話し言葉でできているのに、書き言葉でできていないのは盲点だった。
「固有名詞」で印象付ける
敢えて固有名詞を使うことで、インパクトを出せる。
短い文字数の中で、相手により強く伝えるための重要な工夫だ。
書籍の中では紹介されている事例は、例えば以下のようなものだ。
「先輩社員」ではなく、名前を使う
「わが社」ではなく会社名を使う
「関連商品」に具体的な商品を入れる
固有名詞を使い、抽象度を一気に引き下げることで一気にイメージが湧きやすくなる。
相手の意識を引いて伝わりやすくなる上に、印象にも残りやすいだろう。
「否定」で退路を断ちスタンスをはっきりさせる
「否定」を入れることでスタンスをハッキリさせる。メッセージを尖らせる上で重要なテクニックの学びが合った。
著作内では
「生産性を上げる」→「長時間労働に走るのではなく、生産性を上げる」
という事例が挙げられている。
「生産性を上げる」だけだと抽象的で何をしたいのかがわからない。
ここに「長時間労働に走るのではなく」と追加されることで、やらないことが明確化され、何が言いたかったのかがわかる。
これは、AではなくBという表記だが、他にも
AよりもB
AかBへ
というソフトなスタイルも記載されていて、場面に応じて「否定」が使い分けられるようになっている。
具体的なサンプルが多いので、自分の箇条書きの穴を見つけやすい
「箇条書き」については、ある程度できているつもりだったが、自分の知らなかった・意識していなかったスキルが具体例込で記載されていて学びが多かった。
ついつい長く書いてしまい伝わらない人、箇条書きを使っているが更にレベルアップをしたい人にはおすすめの書籍だ。
文章力を高めるスキルについては、以下の記事も参考に。
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