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全国から22名が秋田・能代へ! 仲間とともにコロナ禍を乗り越える


こんにちは! あきた創生マネジメント代表の阿波野です。
 
2022年9月5日から、お手伝いプラットフォーム「スケッター」を通じて、全国から“遠征助っ人”募集したところ、10月12日時点で22名もの方から手を挙げていただいています。

 助っ人の期間は3日~7日間、交通費は実費を最大4万円(往復)まで弊社で負担します。宿泊先は近隣のホテルの一室を弊社で用意します。有資格者がありがたいですが、介護資格がない方もご応募いただけます。介護資格がない人には身体介護をともなわない周辺業務(洗濯や掃除、配膳、記録補助、見守り、話し相手等)のサポートを、資格保有者や現場経験には介助業務、グローバルメンバー(技能実習生)のスキル向上のためのサポートを依頼するといったように、資格の有無や経験に応じて仕事を振り分けています。

スケッターと実習生

今回のnoteではなぜ、「遠征スケッター」の募集に踏み切ったのか、そのきっかけと経緯、今後の展望についてご紹介できればと思います。

1. コロナ禍3年目に直面した、初の施設内感染


新型コロナ第7波が猛威を振るった2022年7月~8月。あきた創生マネジメントでも、ついに初の施設内感染、クラスター発生に直面することとなりました。私たちが運営する「ショートステイ縁」では7月29日から8月3日にかけて、利用者様3名、スタッフ6名が陽性となりました。クラスター自体は8月14日には収束したものの、現場スタッフの負担は看過できないほど大きいものでした。
 
これまでも感染状況や政府・自治体の動向など最新情報の共有、基本的な感染症対策の徹底、入所者や職員の体調管理、施設内の出入りに関する記録など感染防止に向けた取り組みは日々、実施しています。防護具や消毒液等の備蓄品も確保しておりました。しかし、感染疑い者の発生からの初動対応に関するシミュレーションやトレーニングが十分とは言えなかったという反省もあります。
 

ゾーニングしたときの状況

また、介護護施設において、スタッフが陽性になると、人手不足は加速度的に進みます。しかし、そのような状況下でも、保健所や病院、業者との調整など非常時の対応と並行し、通常業務を継続し、かつ、より一層の感染防止対策を講じることも求められます。必然的に、陽性ではないスタッフへの業務過多が発生するため、フォローが必要不可欠です。

ところが、秋田県は首都圏と異なり、派遣やシェアリングサービスを利用できる環境下にはなく、短期的な人手不足にも対応できずにおります。そもそもの労働人口が著しく減少しており、県内でのヘルプ要請や人材シェアが難しい状況が続いているのです。
 
こうした状況をなんとか突破すべく、私たちは全国から短期間のお手伝いを募集する「遠征スケッター」の募集に踏み切ることにしました。
 

2.なぜ、「スケッター」だったのか

介護施設とすきまワーカーのマッチングサービス「スケッター」との出会いは2019年7月にさかのぼります。スケッターを運営するプラスロボの代表、鈴木亮平くんとTwitterでつながり、「ワークシェアリング×介護」の可能性を以前から感じていたため、東京に会いに行くことに。「介護業界の人材不足を解決したい」という思いに共感し、すぐ導入を決めました。

オンラインスケッター風景

そこからオンライン会議ツール「Zoom」を活用して「介護の未来」「新しい採用」について議論したり、弊社の施設でのイベントのお手伝いをしてもらったり、さまざまな形でスケッターの方々との新たな出会いが生まれました。オンラインでのスケッターのみなさんとのディスカッションはこれまでに計10回開催。延べ60人の方と語り合ってきました。私たちの施設で2019年に開催した「夏祭り」「敬老会」イベントでは、首都圏から10人以上にスケッターの方々が駆けつけてくれています。2022年秋にはぜひ、スケッターの皆さんと共に再び、秋の敬老会をリアル開催したい。そんなことを考えていた矢先の陽性者発覚だったのです。


2019年の夏祭り感謝祭に来てくれたスケッターのみなさん(下写真)

全国から“短期助っ人”を募りたい。鈴木くんに相談すると「やりましょう!」と即答してくれました。でも、応募してくれる人はいるのだろうかと不安もありました。今回、遠征スケッターを募集した「ショートステイ輪」では、新型コロナは発生していません(ショートステイ縁とショートステイ輪は別の施設です)。しかし、応募する人からすると不安材料になるかもしれません。実際にどれだけの人が応募してくれるのか、まったく予想がつきませんでした。

2019年夏祭り感謝祭にスケッターとしてきてくれた代表鈴木くん

 ところがいざ募集を開始してみると、次々に応募の連絡がありました。過去にオンライン座談会に参加してくれたことがあるスケッターの方もいれば、プレスリリースを見て、スケッターに登録してくれたという方も大勢いました。 応募してくださった方とはZoom面談でお話し、条件やスケジュールなどを確認した上で秋田に来ていただいています。応募の理由はさまざまですが、共通するのはみなさんが熱い思いを持って臨んでくださっているということです。 さらに、TwitterやFacebookなどのSNSでは多くの方が、この「遠征スケッター募集」を拡散してくれました。「自分は行けないけれど、もし興味がある人がいたら!」とリツイートやシェアで応援してくださる方のおかげで、22名ものエントリーにもつながっているのです。 遠征スケッターに興味を持ってくださったかた、応募してくださった方、そして情報を広めてくださった方、改めましてありがとうございます。どれほど感謝しても感謝しきれないほどです。本当にありがとうございます! 

3.「体験型採用」という新たな可能性

 スケッターから多くのご縁。実は弊社は、スケッターでの出会いがきっかけで、茨城県から秋田県への移住を決めたスタッフがいます。杉山君は2020年6月末に引っ越しを行い、2020年7月から「ショートステイ輪」で働き始め、現在に至ります。

 
今回、「遠征スケッター」の取り組みがNHKで放送されたところ、番組を見たという方から「秋田に移住し、一緒に働きたい」という連絡をいただきました。

 
スケッターとの出会いから3年。私たちの施設を知ってほしい、同じ志を持つ方々と交流を深めたいという思いで歩んできました。たまに秋田を訪れてくれたり、県外から応援してくれたりする「関係者人口」が増えることを大切にしたいと考えています。しかし、こうした当初の想定を超える、新たな可能性をもたらしてくれているのです。

スケッターでお越しいただいた方がさっそくTwitterに感想を投稿してくれました。

さらにスケッターで来てくださった方同士がお互いにエールを送り合い、経験をシェアし合おう! と呼びかけてくれ、新たな試みも始まろうとしています。本当にありがたいことです。


少子高齢化で働き手が慢性的に不足している。それは私たちが暮らす秋田に限った話ではなく、日本中の地方都市が直面している深刻な課題のはずです。そんな中で、小さな介護事業所に全国から応援に訪れてくれる人たちがいる。移住して一緒に働きたいと言ってくれる人たちがいる。それはとてつもない希望になるのではないでしょうか。
 
今回の取り組みを通じて、資格がある・なしを問わず、介護現場で一緒に働くという「体験」に価値を感じてくれる人が大勢いることを知りました。その中にもしかしたら、「一緒に働きたい」と思ってくれる人との出会いがあるかもしれません。移住とまではいかなくても、また秋田に行きたいと思ってくれる人との出会いがあるかもしれません。

こうして生まれてくるつながりの先に、人手不足を脱却する鍵があるのではないでしょうか。新たな「体験型採用」という可能性を強く感じています。
 
今回私たちは、いち法人として遠征スケッターの募集を行いました。しかし、近隣地域の法人が協力し合い、共同で募集を行うなど、さまざまな方法が考えられると思います。「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければ皆で進め」というアフリカのことわざではありませんが、これからも志を同じくする仲間と共に、理想の地に向かって全力で駆け抜けていきたいです。

遠征スケッターの募集期間を延長できる可能性も出てきました。現在は10月末までの募集となっていますが、11月以降も随時相談してください。みなさんとお会いできること、楽しみにしています!

今後何か一緒に取り組みたいと思ってくださった方、また取材や採用に関する問い合わせをしたい方は、Twitterかメールアドレス(aktsousei105[アット]gmail.com)まで、ご連絡いただけたら嬉しいです!


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