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そんな私のことを、少し。(自己紹介)


 自己紹介、というタグを見つけたので私も書いてみようかな、と思った。
 しかし私には語るものが何もない。
 セールスポイントもなければ、特技もない。
 毎日生きているだけで精一杯、みたいな日々を送っている。

 実のところ、人が苦手だ。
 いい大人になってもちっとも上手く生きられない。
 どうしたらいいのかな、と毎日考える。

 子供の頃から「その他大勢」の中で生きてきた。
 成績も中の中、100人いれば50番。
 なるべく目立たないように、誰の記憶にも残らないように、ひっそり生きる。
 何人かの友達と遊べば、一番最後に名前を呼ばれるような存在だ。
 自分で選んだのか、結果的にそうなったのか、よく分からない。

 つまり、私の立ち位置と言うのはとても曖昧で、いてもいなくてもいいくらいあやふやなものなのだ。
 平均に溶け込み、平凡に埋没する。

 時々、生きている意味がよく分からなくなる。
 誰からも必要とされている気がしない。
 「誰か」の「特別」にもなれない。
 自分自身も、あまり自分を好きではない。
 何か人よりも抜きんでているものがあれば、また違ったのかもしれない。

 毎日ごはんを作る。
 手の込んだものはあまり食卓に上がらないけれど、一応は栄養バランスを考えつつ。

 毎日ブログを更新する。
 これはもう日課みたいなもので、何事もないゆるい日常を、日記代わりに書いている。

 毎日、何かを書く。
 小さい頃から「ものを書く」仕事がしたくて、いつかは絶対に作家になると思っていた。
 その才能がないと分かった今も、書くことだけはやめられない。
 小説だったり、エッセイだったり、詩だったり。
 膨大な量のそれは、「誰か」に向けて書いたものではないから、ただの自己満足にしかならない。

 毎日落ち込む。
 自分があまりにも駄目な人間だから。

 毎日悪夢を見る。
 365日中、350日くらい夢を見ている。
 そのほとんどが、口にもしたくないくらいの悪夢ばかりで、眠るのが怖い。

 毎日言い聞かせる。
 大丈夫。
 まだ大丈夫。

 布団に潜り込んで、何度も何度も繰り返す。
 なかなか眠れなくて、心の中で何度も、大丈夫、大丈夫、とつぶやいているうちにいつの間にか眠りに就く。
 苦しい夢を見る。
 絶望したくなるくらい、辛い夢を。
 目を覚ましたら時々泣いていて、上手に息ができなくて、苦しくて仕方がない。

 上手に生きられない。
 目覚めは苦しくて、眠りに就く前には呪文のように言い聞かせる。

 大丈夫。
 まだ大丈夫。

 まだ。
 多分、きっと。

 目立たずに生きている。
 毎日は、時々窒息しそうになるくらい息苦しい。

 私には語れるものがなにもない。
 ごく平凡に、何事もない毎日を過ごしている。
 もう若くはなくて、けれど地に足がついていなくて、どうやって生きていけばいいか分からなくなる。

 それでも毎日ごはんを作って、食べる。
 毎日日記を書く。
 毎日何かを書いている。
 その時間だけは少し幸せだ。

 そんな風に生きている。
 そんな私のことを、少しだけ、書いてみた。


 了

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