みっともない
今、私の指先は痛い。
まるで心臓が移転して来たかのように、鼓動と共に痛みが踊る。
私の指先は半分だけ、生爪が剥がれている。
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このような状況では、小林多喜二を思わざるを得ない。
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それは中学時代に知ったエピソードだった。
大人は言う。
他人の痛みを想像できる人になれと。
今の私にはわかる。
どれほどまでの痛みであったろう。
それも、想像するに余りある。
他人の痛みが理解できるには、
先ず、類似経験をしてこそだと思う。
まさに今の私だ。
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私には、痛みに耐え得るほどの強い信念もなにもない。
粗忽な性分が祟って怪我をしただけだ。
この、たった一本の指先の痛みで
何ごとが起きたかの如く、痛みを訴え騒ぎ立てる。
痛い、痛いと、知り得る言葉はこの一語かの如くに。
あぁ…なんと、みっともない私。
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今日は shine7794さんより、指先の綺麗な爪美人さんの画をお借りしました。
無事に治ったら、私の爪を綺麗にしてあげたいと思います。
ありがとうございました。
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