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仕事を譲り合って他者を利用したほうが、むしろ早くて大きな結果につながる

 現在、私はいずれもNPO/ボランティア団体で副業というか複業をしています。いわゆる掛け持ちですね。

 この二つの団体。どちらも同じ「課題」に直面しているような気がしています。それは、活動の好結果を受けて規模を拡大していこうとする時に、増えていくヒト、モノ、カネ、情報共有などのマネージメントをどうするか問題。

 特に情報共有は人と人の間を流通することで生まれるので、メンバーが一人増えると会話の組み合わせがメンバーの数だけ増えます。2人の時は1ペアしか会話の組み合わせがないのに、3人になる時はここに2ペアが加わります。100人から101人になるには100ペアが増加。こうやって加速度的に増えていくので、従来通りの一人一人の顔が見える会話なんてのはだんだん難しくなっていきます。組織にとっては避けて通れない宿命的な問題です。

 結果として、意思決定が遅くなる。なかなか意見がまとまらない――なんて弊害が予想されるのですが、これに対して有力とみられている解決方法の一つが、自らの団体の規模を大きくすることではなくて(時には競合者であっても、違うポリシーの団体であっても)他の団体と協力して、結果を出すことを優先するということ。言わば仕事の譲り合いです。

 営利目的の企業であれば他社に譲るなんてことは考えにくいのですが、自社で利益を上げる必要のないNPO団体の場合は(特に社会課題に取り組んでいるような場合には)結果優先。自分たちで請け負っていては、ヒト・モノ・カネを増やす必要が出てきてしまって問題の解決が先延ばしになってしまう――そんな場合にはさっさと仕事を譲ってしまい、お互いに助け合って結果を早く出し、大きくしていくのです。

 長らく民間企業で働いてきた身にとっては、この考えは目からウロコでした。SDGsやESG投資なんて概念も出てきているので、これからの企業は、あるいは仕事を譲り合って「速さ」と「自分たちにはない他社のアイデア」を手にしたほうが、むしろ会社としては成長できるのかもしれません。ひと昔前によく言われた『オープン・イノベ―ション』なんかも結局は同じことを言っていたのかも。

 そのためには社会全体でどういう仕組み(システム)を組み上げればいいかを考え、組織の間に入って調整できる『システムリーダー』が必要らしいのですが、自分はリーダーとまではいかなくも、団体の内外でいろんな人同士をつなぎ合わせる仕事を担って社会に貢献できるようになりたいな、と最近は考えています。

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