微糖のみるくてぃー

ショートショートを始めました! 題して「消灯まで ショート×ショート」。 隔週くらい…

微糖のみるくてぃー

ショートショートを始めました! 題して「消灯まで ショート×ショート」。 隔週くらいで投稿するので、眠れない夜のお供にサクッと読んでみてください…… 感想やお題も随時募集中です! X(旧Twitter)にて「#消灯ショート」でお願いします!

最近の記事

【第4夜】消灯までショート×ショート

第4夜「ジェネレーションギャップ」 いまから1256年前。ほんの些細なきっかけから人間界と魔界が真っ向から対立する大きな争いが巻き起こった。 両陣営とも甚大な被害を出し、最終的には勇者と魔王の直接対決という形で決着を迎えた。 160日間にもわたる激闘の末、勇者との戦いに敗れた魔王は、魔界と人間界の狭間の奥深くに封印されることになったのだった ー 〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜 「……入れない?」 「ええ、通行証をお持ちでない場合はどなたも入国できないです

    • 【第3夜】消灯までショート×ショート

      第3夜 「動く君と語る僕」 水曜日の16時。 雨上がりのグラウンドを走るバレー部をぼんやりと眺めるのに、窓際の俺の席はベストポジションだ。 普段は室内の体育館で汗を流す彼女たちだが、週に1度、水曜日だけはランニングトレーニングという名目で屋外にやってくるらしい。 普段はむさ苦しくグラウンドの縄張り争いをしている野球部とラグビー部の野郎共も、この日に限ってはどこか紳士的に見える。 「グラウンドを眺めながら余裕そうだな!ってことは脚本はもうできたんだな?」 チクチクと耳

      • 【第2夜】消灯までショート×ショート

        第2夜 「他人の人生では常に自分は脇役」 桜の蕾がチラチラと芽吹き出す頃。わたしの元に1通の招待状が届いた。 ジューンブライドへと誘う招待状の差出人には学生時代からの親友である彩花の名前が書かれている。 「え?彩花、結婚するの?」 招待状の差出人である彩花とは長い付き合いで、高校で同じクラスになって以来、色々な想い出を共有してきた間柄だ。 少し心に弱いところがあって、儚げで、同性なのにワガママを聞いてあげたくなる。わたしはそんな魅力的な彩花の親友でいられることが自

        • 【第1夜】消灯までショート×ショート

          第1夜 「黒糖さくらミルクティー」 「さくらミルクティー?」 「はい。それに黒糖をトッピングしたものが飲みたいなって」 その日は東京で季節外れの雪が降っていた。朝からずっと「桜が咲いてから雪が積もるのは実に60年ぶり」とテレビが騒ぎ立てていたから相当珍しいことなのだろう。 そんな珍しい日を狙ってわざわざ寂れた喫茶店に来る客は少ない。もう今日は閉めてしまおうか、と考え始めた矢先に店にやってきたのが先程の「黒糖さくらミルクティー」という注文をした女性だ。 彼女はこの店

        【第4夜】消灯までショート×ショート