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井本整体のこと・整体指導者の立処・クラシックな整体

ぼくは井本整体に入門して整体操法の修行をしました。
整体を習っているというと、「学校」に行っているの?
と聞かれるけれど、
学校ではなくて道場です。
学校じゃないから卒業はありません。

学校は2、3年通ってプログラムをこなせば資格がもらえて卒業ですが
道場は技術を身につけて磨く場所なので終わりがありません。
整体操法はスポーツや音楽と同じで早く上達する人もいれば、
時間がかかる人もいます。

長い年月をかけて趣味として楽しむのも良いと思います。
技術は奥が深くて気が遠くなることもあるけれど、
だからこそ飽きないし面白いから長く楽しめます。

開業してからも通い続ける方、10年以上通っている方、
他の整体のプロの方や、ヨガ、ピラティスの先生も習いに来られています。
ぼくは思うところがあって5年で区切りをつけて今は通っていませんが、
日々の訓練は続けています。

整体指導者の心

整体操法は武道と似ていると思います。
道場ですから道があります。
心構えをとても大切にしていました。

長く美術をやってきて自由を信条に生きてきた私は
ちょっと窮屈だなと思っていたのですが、
臨床に出てお客様と向き合うようになって、
なるほどそういうことかと思うようになりました。

美術をしているときに大切にしていたのは自分で、
整体をするときに大切にするのは相手だからです。
ただ、自分を大事にしているから相手も大事にできるので、
全く真逆のようであり、裏と表でもあるような。

先生業も長くやってきたから、今までも無意識にやってきたことでもあるけれど、はっきりとそのことを自覚することはとても大きなことでした。

整体操法の型

整体操法には型があります。
型を身につけて体ができてくると
人の体の状態がわかるようになってくるし
技術の効果も上がります。

ここを押さえたらいいとか、こんな症状に効果があるとか
知識を学んでも、実際の体にそのまま使えるわけではありません。
体の状態は人それぞれなので、体に合わせて技術を選んで使うのです。

頭で理解しただけでは使えません。
だから道場の稽古は実技が中心です。

型ができてくると無駄な力が抜けてきます。
指の力が抜けると手が敏感になって触れたときに解ることが増えるし、
緊張させないで柔らかく触れるから、もっとゆるめることができます。

整体操法の型はとても合理的にできていて、
筋力に頼らない体の使い方をします。
型が身に付くと無駄な力が抜けるので体が軽くなり動きやすくなります。

人を健康にするだけではなく、自分も健康になるところが整体操法の素晴らしいところです。
仕事の後にクタクタに疲れていたり、体調が悪い時でも練習に行くと、
技を受けたりかけたりしているうちに、元気が出てきます

人のために役立てる

3年で開業を目標に修行を始めたけれど、
自信を持ってできるようになるまで結局5年かかりました。

国家資格がとれるわけではないから肩書きはつかないし、
技術は難しいし知識は膨大で身につけるのに時間もかかります。

「早く」、「楽に」、「誰でも」できるものが人気の時代だけれど、
それで本当にいいのだろうか。本当に面白いのかな。

整体操法は時間をかけて身につける価値がある本物の技術だと思います。

まだ開業して2ヶ月程度でポツポツとしか診ていないけれど
体を診ればいろいろなことが分かるし体は変わります。
来てくださった方に喜んでもらえると、やっていて本当に良かったと思います。

高齢化が進み健康寿命の延伸が求められる今だからこそ、
多くの方々に伝統ある整体操法の素晴らしさを体験してほしいし、
お役に立てたいと思っています。

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