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「ゾディアック」実は愛のある映画?

できる限りリアルに描くことで、
関わった人たちへのレクイエムを歌った作品。


映画「ゾディアック」を鑑賞しました。

1969年に起こった「ゾディアック事件

カップルやタクシー運転手などを無差別に狙った連続殺人です。

そのため、いつどこで襲われるかわからない恐怖に、サンフランシスコ全ての人々が怯えた事件。

監督は「セブン」「ファイトクラブ」のデヴィット・フィンチャー

今回の記事を最後まで読めば、彼がなぜこのおぞましい「ゾディアック事件」をテーマに映画を制作したかがわかります!

STORY

https://youtu.be/PawGCHGmr0c

“ゾディアック”と名乗る連続殺人犯と、その事件の解決に挑む者たち。「殺人」と「真実の究明」という全く逆の立場にいる人間たちが、謎が謎を呼ぶ事件を巡り、次第にその運命を狂わされていく…。

Amazon Prime Videoより引用

それではここから、「ゾディアック」の見どころと、デヴィット・フィンチャー監督が今作を制作した理由を解説していきましょう!

「ゾディアック事件」をテーマにした理由

デヴィット・フィンチャー監督の代表作「ファイトクラブ」は、かなりド派手な演出が印象的です。

今作「ゾディアック」は、殺害シーンはおぞましいものの、全体的に結構地味です。

「セブン」に雰囲気が似ていないこともありませんが、事実を基に制作している分、また違った印象で、もう一段展開がスローですし、派手な展開もありません。

そんな作品をなぜ作ったかというと…、

デヴィット・フィンチャーは1969年当時、事件の現場から橋を挟んですぐの場所マリーンという場所に住んでいました。

歳の頃は、小学校低学年

”ゾディアック”を名乗る殺人鬼は、なんと子どもを乗せたスクールバスを狙うという犯行声明を新聞社や警察に送っており、自身はもとよりサンフランシスコ周辺全てが恐怖した訳であります。

映画の中では外出禁止令も出ているほどでした。

そして、デヴィッド・フィンチャーは、”ゾディアック”のトラウマを払うために映画を作ったそうです。

スティーブン・キングや、庵野秀明と同じ感覚ですね。


リアリティ満載

その当時を知る監督だからこそ、リアリティ満載な仕上がりになっています。

デヴィッド・フィンチャーは、事件の調査に18か月もの期間を費やしたそうです。

その他にも、最初の被害者のカップルの男性に、実際にインタビューしたり、

69年当時のワーナーとパラマウントのロゴを使用したり、

当時の町並みや雰囲気を再現するためにCGを駆使したりと、

一見地味な作品のようで、かなりお金がかかっています。

犯行シーンが恐ろしい

この映画のすごいところの一つに、犯行や殺人シーンのおぞましさがあります。

始めのカップルを撃った時の突発的で無慈悲な描写や、

湖で背中を何度も刺すシーンは思わず目を背けたくなるほどです。

ホラー映画よりも恐ろしいと私は感じました。

また、終盤の地下室のカットも怖いですよ~。

ジェイク・ギレンホールが走って逃げるのも納得で、本当に怖いです。

ゾディアックに取り憑かれた人々

実はこの作品、後半はほとんど犯行シーンがありません

”ゾディアック”を名乗る人物を、

探し求めたり、

自分がそうだと偽ったり、

関わることで名声を得たり、

様々なかたちで関わった人々のドラマを描いています。

ジェイク・ギレンホール

半分は彼演じる漫画家”ロバート・グレイスミス”のドラマ映画と言っても過言ではないでしょう。

暗号解読好きが高じて、”ゾディアック”を追うことに魅了されてしまう。

実際の人物も家庭はめちゃめちゃになり、1980年の別居後、1983年に離婚しています。

序盤は比較的爽やかで、斜めの視点から犯人を追う、シャープなキャラクターですが、次第にどんよりとした雰囲気を帯びていきます。

非常にジェイク・ギレンホールらしい役へと変化していくのが味わい深いです。

https://www.three-minutes-philosophy.com/nightcraw/

何かを爬虫類のようなヤバイ雰囲気で追う役が本当に似合う俳優です。

大好きギレンホール。

ロバート・ダウニー・Jr.

「アイアンマン」のトニー・スタークや「シャーロックホームズ」の売れっ子、ロバート・ダウニー・Jr.も出演しています。

彼はジェイク・ギレンホールの同僚の新聞記者役です。

”ゾディアック”に関する報道の中で、注目を浴び、一躍時の人になるのですが、やはり次第に生活が崩れていきます。

終盤の酒におぼれてしどろもどろな表情。「アイアンマン」で捕虜になったときよりキツそうです。

事件への想いを成仏させる

「ゾディアック」は何ともハッキリしない終わり方をします。

一応”こいつが犯人だろう”というデヴィッド・フィンチャーなりの結論には至ります。

実際の事件が事実上未解決なので、当然といえば当然なのですが、ぼんやりさせつつ、一応の決着をつけるこの曖昧な終わり方にしたことには理由があります。

その理由の続きはブログで👇👇


今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

「ゾディアック」に関する情報をお伝えしました。

とても長い映画ですが、面白い映画なのでぜひご鑑賞ください!

ちなみに長いのは、”ゾディアック事件”を追う疲労を鑑賞者にも味わってほしいからだそうですよ。

ブログでは映画に関する情報をたくさんお届しています。ぜひ遊びにいらしてください。


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