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死ぬかと思った…3

服飾系専門学校で知り合った、
私の親友、萩原くん。

彼が逝ってしまってから、
もう何年経ったのか…

確かに、今、思い返してみても、
彼は、とても繊細だった。

肌の手入れや、
流行りものを、
毎週の雑誌ananで、
ヘアメイクの技術や、
ファッションの話、
シュウウエムラのメイクボックスを持っていて、
いつも綺麗にしてくれて、
何でも話し合った。

2才上のお姉さんがいると聞いていたのと、
美容学校の出身で、美容師資格を取得してる。
…だからだと思っていた…。


女友達みたいに、楽しく話せて、
優しく、気配りが出来て、
格好いい、そのルックス。
さすが都会、
こんな男子がいるものだ…
なんて思ってた。

そんな彼を、
好きにならない理由があっただろうか…?


結局は、ある事実を泣きながら、
告白され…驚いた。

驚いたけど、それでも、
彼が人間として素晴らしいことに変わりは無かった。


一度だけ、彼のお姉さんに会ったことがあった。
お姉さんは、萩原くんに似てる感じだったけど、
ダメ出しが、半端なくて、

男なんだから…』とか

長男なんだから…』とか

会話の終結には、必ず言って来て、

私達の関係を、彼氏彼女だと疑うことすらなかったから…
初対面ながら…彼の苦悩を初めて察した。

萩原くんは、優しい人だ。
だから、何も反論もしなかった。

優しい人だから、彼は、
自分を責めていた。

彼は、自分自身を

この世から、

消すことを

選択してしまった。



私は、アパレルメーカーでの仕事が始まり、
感情を封印して、
仕事に集中、邁進した。

でも、その反面、
心の中は、
吹き荒れていた。


忙しい毎日を過ごしていても、
夢はみる。

繰り返しみる夢の中、
彼のマンションで、
いつものように、おしゃべりをしている。
ねぇ、もうすぐ、いいとも!が始まるよ、
チャンネル変えよう…』

と、振り向いたら…

昼から、急に夜になっていて、
真っ暗な部屋の先、
窓が開いていて、
冷たい夜風の勢いに、
自分の髪が乱れる、
直そうと、手を髪にやる瞬間、
ベランダを越えようとしている
彼に気づいて、

足が縺れながらも、
急いで走って、
手を掴む、全力で掴む、
(腕が外れても離さないと)

でも、物凄い重みに、
耐え切れず、
手が離れてしまう…

(絶叫する)

仰向けに落ちていく彼の顔が見える…

つらかった。

夢でも。

(これがしばらくの期間、エンドレスで続いた)

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