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器の職人さんとの出会いをつくる「使えるギャラリー」

美食倶楽部は「でっかい家飲み」ができるコミュニティキッチン。まちの中に、家族や友達と楽しむもうひとつの台所を待ちましょうという提案です。

でも、ただのレンタルスペースではなく、「それ以上のなにか」がある場所にしたい。その思いを形にした企画が始まりました。

キュレーターに和えるを迎えた新企画

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美食倶楽部の「使えるギャラリー」は、自分たちでつくった料理の盛り付けに自由に使える器のギャラリーです。

食材や料理とともに食卓を彩る器。毎日使うものなんだけど、どれをどう選んだらいいか分からなかったり、まして「伝統工芸」とか言われると敷居が高いと感じてる人も多いのではないでしょうか。

でも、そのつくり手と友達になったら、もっと器を身近に感じて、もっと楽しむことができるんじゃないだろうか?「使えるギャラリー」は、そんな考えから生まれました。

職人の技が光る工芸品。つくり手の思いを知って、日々の食卓に取り入れたら、料理をつくることも、食べることも、いつもよりちょっとわくわくする。

京都各地の器のつくり手とコラボして、彼らの作品や物語を展示するとともに、実際に自分たちで料理をつくった料理の盛り付けに使っていただきます。さらに、実際に会うこともできるイベントも。そんな企画です。

キュレーターは、伝統を次世代につなげる仕組みづくりを行なっている株式会社和えるさんにお願いしました。自身のブランドaeruの展開の他、全国各地の職人とともに学びの企画や場のプロデュースなども行なっている彼女たちに、数ヶ月ごとに素敵なつくり手さんをご紹介いただきます。

第一弾は「蘇嶐窯」

和えるさんとの議論を重ねて、第一弾には東山の清水にある「蘇嶐窯」(そりゅうがま)さんにお願いしました。

ここは全国的にも珍しい、別べつの窯元の2人がその技を融合させて作陶している窯。ご主人の涌波蘇嶐さんは京都清水で青磁(せいじ)の作品をつくる4代目、奥さまの涌波まどかさんは、福岡の小石原焼きの窯元ご出身です。

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(4代にわたって作り続けてきた青磁(せいじ)の作品。各代それぞれで少しずつその色の風合いが違う。蘇嶐さんは日々「理想の青」を求めているとか)

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(小石原焼きは「飛鉋(とびかんな)」と呼ばれる道具でつくる独特の模様が特徴)

サラりと書きましたが、すごいことなんです。青磁は主にお茶の、格式の高い世界を代表するもの。小石原焼きという民芸/庶民の世界と融合するということは、見方によっては「ご法度」とも言えるものでした。

ご結婚後最初の10年間、奥さまのまどかさんは蘇嶐さんの作品作りの言わば裏方に徹してきましたが、5年前から2つの世界を融合させた新しい窯として「蘇嶐窯」が誕生しました。蘇嶐さんのつくる青磁の器に、まどかさんの飛鉋が施されたものが代表的な作品です。

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この2人の挑戦は、美食倶楽部で掲げる「これからの美しい食とは?」という問いにとても合致するものだと思いました。

異なる世界が融合すること。限られた人だけのものが進化して広く開放されていくこと。伝統をリスペクトしつつ、それに囚われることなく未来を見ていること。そんな美しさを皆さんに感じてもらえれば、そんな物語を肴に素敵な宴が美食倶楽部の場で生まれれば、これ以上ない喜びです。

これからも美食倶楽部そして「使えるギャラリー」にご期待ください。



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