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優秀な人に依頼したいけど、プロ人材をマネジメント出来るのか?

コンサルタント・中小企業診断士の小林慶志郎です。
コンサルタントとして働く中で「もっとみんなが楽しく働ける環境を作りたい!」と思い、
「好きな人と好きな仕事をする」を当たり前の世の中を作りたくて、情報発信やスマホアプリ「BiSE」(バイス)の開発をしています。

「自分の力で稼げる人」という掛け声
「自分の力で稼げるようになる!」という掛け声で勉強を頑張ったり、発信をされている方も多いですね。
私は、フリーランスを支援するためのサービスを作っていますが、実は「自分の力で」にはあまりこだわっていません。

「自分の力で」にフォーカスすると、どうしてもベクトルが自分に向いてしまうような気がするからです。お客さんの目線が抜け落ちてしまうんです。

そんなわけで、今日は発注者側の視点で書いていきます。

発注者はプロ人材をマネジメント出来るのか
大手企業が、フリーランスや副業などで働く「プロ人材」を効果的に使っていこうという動きが活発です。
そういう優秀な人材も積極的に使っていくことで、ブレイクスルーを模索しています。

とはいえ、働き手が自由になると、それをマネジメントするのは難しくなります。
いままでは社員が意図を汲み取ってよしなに対応してくれたり、一つの企業がまるっと請け負って対応してくれていました。
それを、役割を分割して担当を割り振り、分担した役割の間を取り持ち、調整して、整合性を取りながら進めていくマネジメントを、発注者が担う必要があります。

本当にこれが出来るのか、という課題です。

今一度、個人に発注する場合と、まるっと組織に発注する場合のそれぞれの代表的なメリットを整理してみます。

<個人に発注するメリット>
・能力の高い人を、リーズナブルな価格で(組織の管理費用がかからず)活用できる。
・必要な能力に合わせた人をピンポイントで活用できる。
・フルタイムで抱え込む必要がないため、予算に合わせて協力してもらえる。

<組織に発注するメリット>
・まるっとした要求によしなに対応してくれる(行間を埋めてもらいやすい)
・担当者がなんらかの事由で対応できなくなった場合も代替要員を立ててくれる
・役割間の調整が不要(依頼先の組織内でやってもらえる)
・相手がその仕事に適任かどうかの調査が少なくて済む
 ※社員で対応するともっと少なくていい

こんなところですかね。

発注する相手がその仕事に適任かどうかの調査(取引コスト)は、AIによるマッチングなどにより今後さらに下がっていくと思いますが、まだまだ多くの発注先を探すには心理的、時間的なコストが高いです。

実際のところ、これが多くの企業の課題だったりもします。
優秀な人を適材適所で活用したいけど、探すもの大変だし、本当に信用できるかも分からない。
10個の仕事を10人に振ったら、それを取りまとめる能力もうちの会社には無いんだよー。という状態です。

何を提供すべきか考えよう
ということで、発注者はプロ人材を使いたいと思いつつも、それを実際にマネジメントするという観点では、まだまだ多くの課題を抱えている状況にあるということです。

つまり、発注者が求めていることを端的に言うと、

信頼できる人に
安定的にサービスを提供してほしい。
時々劇薬として、特殊能力を買いたい。
困ったときには機動性高く手伝ってほしい。

という感じです。

お願いする先が個人であることのメリットは、機動性の高さと、特殊能力をスポットで買えること。
それ以外は、どちらかというとマイナスに働く可能性が高くすら思えます。

言葉を選ばずに言うと「便利使いできる」ともいえますよね。よほど、ずば抜けた能力があれば別かもしれませんが。

それでも個人で働ける力を身につけたいのかどうか、今一度考えてみてもいい気がしてきます。

個人の連合軍という選択肢
とはいえ、私もフリーランス的に働いていて、その魅力も知っています。
コンサルとして発注側の支援に入り、大手企業に発注した時の、融通が利かないことをもどかしく思うこともあります。

そんな中で、私の提案は、信頼できる仲間と「個人の連合軍」を組むことです。

実態としては個人なので、機動性高く、スポットで必要な時に協力することができます。
ですが、個人で対応するよりも、仲間の力も借りながら仕事を進めることで、サービスの幅も質も上げることができます。
誰彼構わずチームを組むのではなく、”信頼できる仲間と”と言うのがポイントです。
お互いを信頼しているからこそ、自分のスキルやノウハウを共有し、双方の仕事の支援をしたり、スキルアップにつなげていくことができます。

加えて、自分が無責任なふるまいをすると、大切な仲間に迷惑が掛かる、というのが重要になります。この制約が牽制になり、連合軍の品質を上げていきます。これが”見知らぬフリーランスが集まるコミュニティ”と、ここでいう”連合軍”の違いです。

そういった連合軍の中で仕事をしていくには、まずは仲間の信頼を得る必要があります。そのための努力や一定の能力は必要になるでしょう。けど、それは、「自分一人の力で生きる力」という類のものではありません。仲間を信頼して、お互いを頼り、助け合うことができる力が必要です。

このように、お客様の目線で考えたときに、自分の能力にフォーカスするのではなく、どんな仲間と手を組んで、その中でどんなふるまいをしていくべきなのかということとしっかり向き合う必要があるのではないかと考えています。

そんな”連合軍”(いわゆる”お仕事コミュニティ”です)を気軽に作るためのサービスが、私の作っているBiSE(バイス)です。

個人で働くこと、組織で働くこと、それぞれメリットもデメリットもあります。そのバランスを取れるような働き方を提案できれば、多くの人の働き方を変えていけると考えています。

それによって、今回テーマにした発注者の視点でも、仕事を依頼する先としての選択肢が広がっていくだろうと思います。

新しい働き方、つながり方を提案し、世の中を良い方向にシフトさせていきたいと考えています。


BiSE公式サイト


小林慶志郎

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昨春、緊急事態宣言が出た頃、外出自粛が謳われ、会社にも行けず、飲みにも行けず、ひとりひとりが孤立していくような気がして、この先コミュニティって重要になるよね、という本を書きました。(Kindleで発売中です)

「コミュニティと生きる時代 〜withウイルス時代の仕事と組織のカタチ」--小林慶志郎

BiSE公式サイト
https://www.thebise.com


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