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MFICUに入院していたときのこと~自分ができることは何か~

こんにちは。
ブライトンスタッフのバースコンシェルジュです。

さて、皆様は「MFICU」をご存知ですか?

MFICU(Maternal-Fetal Intensive Care Unit・母体胎児集中治療室)とは、いわば産科のICU。妊娠から出産後まで病気などでリスクを抱えた妊婦さんが治療を行うための施設で、妊婦さんに特化した集中治療室のことです。

実は私、一人目を妊娠中に二週間ほどこちらにお世話になっておりました。
もともと子宮頸管が短く切迫流産気味で安静を言われておりましたが、妊娠三か月目の定期検診中に出血。
すぐさま入院命令が出たものの「予防的なものでしょ?」とそこまで深刻に考えていませんでした。
しかしあれよあれよという間に車椅子に乗せられ、何の準備もなく送り込まれたのがこのMFICUでした・・・。

ICU(集中治療室)と付け加えられている通り、
重症妊娠高血圧症、糖尿病合併妊娠、前置胎盤、双胎妊娠、胎児異常など
ハイリスク症例が集まりますが、潜在的なリスクの高さに比べてそれほど外観上、
重症な患者さんばかりではありません。

私の入院していた周産期母子医療センターのNFICUは完全個室で、
極力出歩くことも禁じられていたため殆ど交流できませんでしたが、
たまに見かける妊婦さんは言われない限りごく普通の妊婦さんでした。

私も例にもれず元気で、しかも自覚の少ないハイリスク妊婦だったため、「動きたい」だの「売店へ行きたい」だの訴えては看護師さん方を困らせていました(笑)

でも毎日のように張り止めの点滴を受けたり、
体温・脈・血圧から胎児の心拍まで一日に何度も測定されたりしているうちに、
「あぁ、私はこんなにケアしてもらわなければ妊娠継続できないのだな」と
徐々に自分の置かれている状況が理解できるようになりました。

先の見えない入院生活に落ち込むこともありましたが、
そんな時は先生や看護師さんが愚痴を聞いてくださったり、
たまにしかシャワーを浴びられない私の為に極上のヘッドマッサージ付きシャンプーを施してくださったりと、本当に有り難かったです。

「MFICU」には、一般病棟と比べるとかなり設備投資も人件費もかけられているように思います。実際、私が入院していた病院も一泊当たりの入院費が7~8万程でした(もちろん高額療養費制度を使わせていただきましたが)。

私の入院期間中は、誰かが退院したり一般病棟に移ったと思ったら、
すぐに新しい患者さんが入院してくる状況で、
空きがあると言う状況は一瞬もありませんでした。

私がその後一般病棟に移った理由も「更なる重病妊婦さんが来るから」だったと記憶しています。

常に空きベッドの不足するMFICUですが、そんな大変な状況でも先生や看護師さんはいつでも笑顔で最大限の医療を提供してくれました。

仕事だから・・ではなく、
「この人の為に自分ができることをしてあげたい」

そんな心意気がこちらにもビシビシ伝わってきて、何が何でも正期産までキープすることがこの方達への恩返しなんだと。

MFICUを離れるときは、そんな思いで涙ながらに感謝の気持ちを伝えました。

当時は医療の現場でお手伝いさせていただく日が来るとは夢にも思っていませんでしたが、実際自分が足を踏み入れてみて思うのは、
「的確な医療を提供すること」と「患者様の気持ちに寄り添うこと」の同時並行はなかなか難しく・・・。
壁にぶち当たることもしょっちゅうですが、そんな時思い出すのが当時の経験。

「この人の為に自分ができることは何か」を真剣に考えて接する姿勢は、
相手にも必ず伝わると信じて、
バースコンシェルジュとして日々業務に励んでいます。


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https://brighten.hp.peraichi.com/


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