続・気分を上げて
またしても!1日遅かった。
あきる野市・広徳寺の銀杏はてっぺんの少しを残して、絨毯になっていた。昨年に続き、昨夜の強風で裸になったようだ。
自然は人間の都合に合わせてはくれない。それでも風もなく、暑すぎず、寒すぎず、絶好の散策日和なのが何よりだった。
道沿いのあちこちにある無人販売所は、歩き始めが遅かったので、売り切れの場所もあったが、柚子と果肉が赤くて甘いとあったキウィを買う。
寺は里山のてっぺんにあるので、あとは下りの道を、長閑に点在する家の庭先や畑の花や野菜を眺めながら歩く。
食事処の「黒茶屋」敷地内にある珈琲ショップ・「糸屋」で、予約時間まで一休み。
この建物の二階は2年前まではギャラリースペースで、私も4回使わせていただいたが、緊急事態が始まった昨年春、テイクアウトの厨房になった。かつて地域の女性達が繭から糸を引いていた趣のある部屋(店名はそこから)で、大好きな拠点の一つだったのでとても残念。
食事のコースは八寸で始まる。
何度も通った場所なので、あまり写真を撮らなかったことに帰宅してから気づく。
あきる野は、自分にとって、単に好きな場所というより、そこで出会った人、一緒に時間を過ごした人たちの記憶が濃い場所である。
今回は時間切れで行けなかったが、いつも必ず寄るところが、「深澤小さな美術館」。人形作家の友永氏が古民家に手を入れた建物がユニーク。五日市憲法の草案が見つかった深沢家の土蔵が、道を数分上がった所にある。
建物以上にユニークなのは、鯉や金魚が泳ぐ庭。岩をくり抜いて氏自ら作った、作家の遊び心満載の、金魚のアパートが楽しい。訪れるたびに進化を続けている。
カフェを仕切っておられる気さくな奥様とのお喋りも楽しみ。山からの清水が金魚鉢を満たし、夏でもひんやりと涼しいこちらは、12月から春までcloseとなる。山桜が咲く頃、また行ってみようと思う。
説明書きにあった通り、甘くて瑞々しいキウィだった。
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