【Giverの流儀】海外に出るときに必ず知るべき基礎知識〜航空券を購入する前に知っておくべきこと〜
私はよく海外に行きます。もちろんほとんどは仕事です。行けるチャンスがあれば、無理矢理、意地でも行きます。
理由は、自分が成長する速度が半端ないからです。
仕事とはいえ、海外に出る(すなわち、日本を出る)と面白い発見がたくさんあります。
今日は、海外に出るときに必ず使う乗り物、そう、飛行機の航空券の話をしたいと思います。
これは、日本に住んで、たまに海外旅行をしている人には、恐らく気付かない気づきなのではないかと思います。
日本人が飛行機をタクシーのように使って世界中を飛び回る上で、とても大事な考え方ですので、是非、頭の片隅に、いや、ど真ん中くらいに入れておいてください。
マイレージやステータスなどの話は後日するとして、今回は、経済的に世界を飛び回る旅行術の第一歩、「航空券の発券」についてお話します。
この知識を知っていれば、本当に自分にとってお得なチケットがどのようなものなのか、自分の頭で判断できるようになります。
基本1 航空券を購入する場所を決めよう。
海外旅行に行ったことがある人は、どのように航空券を購入するでしょうか?
1.旅行会社に提示されたものを購入
2.インターネットの旅行サイト(エクスペディアなど)で検索して購入
3.航空会社のHPから購入
私は、断然3を選択します。3を調べた結果、1.もしくは2.のほうがお得だと感じたら、そちらを選ぶかも知れませんが、基本行動として、まず、航空会社で今現在販売されている航空券の値段とグレードを確認するようにしています。
今まで1.や2.しか選択してこなかったヒトは、是非3にチャレンジしてみてください。
何故、直接、航空会社のHPから購入するかというと、メリットは以下のとおりです。
トラブルが少ない。
正規ルートのチケットなので、航空会社のサポートが直接受けられる。
購入前にキャンセルポリシーがはっきりわかる。
自分にとって最もお得なチケットがわかる。
ほとんどの場合、正規サイトが最安。
マイレージ、スカイコイン、アップグレードポイントなどの利用が可能。
ここらへんの話をして、うんうん、そうだそうだと納得して頂ける人は、ひとまず、旅人中級者以上でしょう。
ひとたび海外に出ると、色々なトラブルが置きます。トラブルの50%は空港、残りの50%はホテルです。
空港トラブルで最も多いのが、乗り継ぎトラブルです。
空港の端から端まで、入国審査を含めて30分で移動・・・なんてチケットが格安で売られていたら、買うでしょうか?
上記にピンと来ないヒトは、恐らく海外旅行初心者か、もしくは、いつも誰かに頼って旅行に「連れて行ってもらっているヒト」ではないでしょうか?
もし飛行機が遅れた場合、乗継便があなたを待たずに出発してしまった場合、あなたは現地で誰に泣きつきますか?親ですか?旅行会社でしょうか?Ex◯ediaにメールを打ちますか?
誰も、その場で、あなたを助けられません。自分の身は自分で守らなければならない、それが海外です。
そのためには、できるだけ「安く」もいいですが、「トラブルなく」移動できるトラベル術を身に着けましょう。そう、私がおしえているトラベル術は、いわゆる海外でのトラブル回避術なのです。
その場でトラブルを解決できる導線を必ず2つは作っておくことが大きなリスクヘッジとなります。一つは、航空会社、もう一つは海外旅行保険会社(私の場合はクレジットカード会社)です。
クレジットカードの話は後日するとして、今回は、航空会社についてほんの少しだけ記事にしてみたいと思います。
私自身は、安全に、確実に、トラブルなく、かつ快適に現地に到着する必要がありますので、たとえエコノミークラスのチケットを発券する場合でも、航空会社にこだわり、正規の航空会社のサイトを利用することにしています。
基本2 航空会社のアライアンスを理解する。
では、どこの航空会社を使えばいいのでしょうか?ぱっと頭に浮かぶのは、日系大手の航空会社、All Nippon Airways (ANA)とJapan Airlines (JAL)ですよね。
通の間では、ANA派を青組、JAL派を赤組といいます。
ANAやJALの他にも航空会社はたくさんあります。例えば、アメリカには、United Airline、American Airline、Delta Airlineという3つの大きな航空会社がありますし、韓国には、Asiana Airline、Korea Airline、台湾にはChina Air、Eva Airwayなど。大体、1カ国に1〜3種類の代表的な航空会社が存在しています。
ややこしすぎて一般の人には理解できないので、それをネットで統合して案内しているのがExpediaなどなのですが、このようなインターネット旅行サイトで出てくるチケットは、下記のアライアンスがミックスされている場合や、キャンセルポリシーが明確でないものもあり、トラブルの種になります。
海外に出るときは、まず、アライアンスを理解しましょう。理解できれば、あなたがトラブルに遭遇した際に、そのアライアンスがあなたの駆け込み寺になります。
世界3大アライアンス
世界には3つの大きな航空会社のアライアンス(組合みたいなもの)があります。
同じアライアンスに所属する航空会社は、コードシェア便を作って、現地での乗り継ぎを可能にしています。
成田空港などの国際空港は、アライアンスごとにコンコースが分けられている事が多く、同じアライアンスのチケットであれば、乗り継ぎが短時間でスムーズに行えます。
以下に世界3大アライアンスである、スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームを紹介します。詳しくは、Wikipediaのリンクを入れておきますのでそちらを御覧ください。
スターアライアンス
ANAが所属しているアライアンスです。現在は、26社からなります。米国はUnited air、韓国はAsiana Airline、台湾はEva airways、ヨーロッパは、Lufthansa、Swiss、Austrian、Brusselなどがあります。私が最も利用しているアライアンスです。
ワンワールド
JALが所属しているアライアンスです。現在は、14社からなります。米国は、American airline、香港のCathey pacific、ニュージーランドのQantas air、英国のBritish Air、スペインのIberia airなどがあります。
スカイチーム
スカイチームに日系の航空会社は有りません。17社からなります。米国のDelta airline、韓国のKorea air、フランスのAir France、オランダのKLM、イタリアのITA airways(旧アリタリア航空)などがあります。
基本3 同じアライアンス内の航空会社で旅程を組む。
どのアライアンスがいいかは、個人の旅行のやり方やステータスの戦略などにもよるので、一概にこれが一番というのは無いのですが、私は、加盟会社の多さや国内旅行のし易さなどの理由からスターアライアンスを利用することが多いです。
覚えていてほしいのは、海外旅行の計画を立てる際に、出発地と目的地が決まったら、次にする作業は、「アライアンス」を決めるという作業になります。
毎回同じアライアンスでもOKですし、目的地や経由地、サービスなどによって変えても大丈夫です。
とにかく、出国から帰国まで、同じアライアンス内でチケットを発券することを心がけてください。
これを意識するだけで、空港でのトラブルは格段に減ります。
特に、チケットが正規サイトからの発見の場合、遅延やトラブルが起こった際には、発券元の航空会社はもちろんのこと、同じアライアンスの現地航空会社スタッフが必ず協力してくれます。
では、おなじアライアンス内で旅程を組むにはどうすればよいでしょうか?
答えは簡単で、発券する航空会社を1つ決めればいいだけになります。その航空会社の正規サイトで発券する以上は、乗継便もふくめ、基本的には同じアライアンスの航空会社を選んでいることになります。
例えば、京都からイタリアのベニスに行くために、どのようなルートが考えられるでしょうか?
京都駅 →(リムジンバス)→ 関西空港 →(直行便)→ マルコポーロ国際空港 →(タクシー)→ホテル
このようなルートがあれば、一番楽ですが、残念ながら、日本からベニスへは直行便は存在しません。
アリタリア航空は、2021年に経営破綻し、国際線を飛ばしていないのでたので、実質的に、日本からイタリアへ直接入国する手段は現在ありません。
ですので、どこかの空港で飛行機を乗り継がないといけなくなります。
乗り継ぎを避けて旅行をすれば、それは、旅行で得られる経験を80%くらい失っていることになります。
海外旅行は、乗り継ぎしてナンボ。むしろ、直行便で行くなんてもったいないというのが私の個人的意見です。
乗り継ぐことで、目的地とは別の国に入ることもできますし、空港内もしくは、その周辺だけにはなりますが、その国の文化に一瞬でも触れることもできます。
チケットの種類にもよりますが、長距離移動の場合は、Stop overといって、経由地に一旦入国し、一泊(もしくは連泊)してから次の日に現地に向かうこともできます。
旅行の選択肢が格段に拡大し、あなたの可能性を最大限広げてくれるでしょう。
航空会社によって、どのような経由ルートを取れるかは、アライアンス内の細かなルールによって制限があるのですが、いずれにせよ、まずは、アライアンスを決めて、航空会社を決め、正規サイトで色々検索してみることをおすすめします。
例えば、大阪発→ベニス着ですと、こんな感じです。
1)関空→(ルフトハンザ航空)→ミュンヘン→(ルフトハンザ航空)→ベニス
2)伊丹→(ANA)→羽田→(ANA)→ロンドン→(ルフトハンザ航空)→ベニス
3)伊丹→(ANA)→成田→(オーストリア航空)→ウィーン→(オーストリア航空)→ベニス
4)関空→(タイ航空)→バンコク→(スカンジナビア航空)→コペンハーゲン→(スイス航空)→ベニス
無数にあります。ポイントは、いずれもスターアライアンス系の航空会社で数珠つながりになった経路になります。
このように、同じアライアンスでつながっているチケットですと、乗り継ぎ元との乗り継ぎ先の航空会社とで連携が取れているので、もし遅延や欠航など、空港内でのトラブルに積極的に(かつ、良心的に)対応してもらえます。(アライアンスのステータスがあれば、空港での交渉事は、さらに効果が増します。)
チケットカウンターやカスタマーサービスが、アライアンス系でまとめられていることも多いです。一方で、アライアンスが異なるチケットが混在している場合はどうなるかというと、、、かなり旅のリスクが高くなってしまうでしょう。
代替便を用意してもらえなかったり、こちらの要望に聞く耳を持ってくれない場合がほとんどです。
アライアンスという同盟を結ぶことで、遅延や欠航など、様々なトラブルに対し、航空会社の責任をアライアンス間で共有し、助け合うことでお客様への円滑なサービスにつなげるシステムですので、この暗黙のルールを無理やり破って旅程を組むことは、私からすれば自殺行為に見えます。
例え同じルートで10万円安くても、複数のアライアンスがミックスされたチケットは私は買いません。もし買うとすれば、相当の覚悟を持って購入するか、トラブルが起こっても回避できる旅程の余裕を持つべきかと思います。
それくらい、遅延・欠航トラブルによる時間的な損失と、精神的かつ身体的な苦痛は、海外渡航時にはできるだけ避けたいものです。
基本4 チケットのサブクラスを理解しよう
航空券に座席クラスがあるのはご存知だと思います。
国際線ですと、ファーストクラス、ビジネスクラス、プレミアムエコノミークラス、エコノミークラスの4種類になります。
一方で、同じエコノミークラスでも高いチケットと安いチケットがあるのをご存知でしょうか?
私がよく利用するANAさんのチケットクラスについて、以下のHPがよくまとめられています。
エコノミークラスだけで、13種類のチケットがあります。エコノミークラスであれば、どのチケットを購入しても、飛行機にのってしまったら機内で受けられるサービスは同じです。
飛行機に乗った後はね。。。航空券のトラブルは、主に飛行機に乗る前に起こります。
では、何が値段の違いとなっているかですが、それは、「販売時期」、「キャンセルポリシー」、そして「出発地」によって細かく決められています。
基本5 チケットの値段の秘密をちょっとだけ公開
予約変更可能な航空券は、おおよそ1年前から予約できるものもあります。一方で、出発日が近づいてくると、残席を埋めるために航空会社が旅行会社に格安料金でチケットをバラ撒きます。これがいわゆる格安航空券です。
正規サイトで早めに予約したヒトが損するのでは?とお考えになるかも知れませんが、そうでもありません。
高額なチケットは、高額なりの「理由」があります。それは、キャンセルと変更が可能かどうかです。
皆さん、飛行機のチケットって、そもそも変更やキャンセルができると思っていないでしょ?
それは、変更・キャンセルができないチケットを旅行会社や旅行サイトなどからよく理解せずに「買わされている」からです。
実際に、旅行の直前で体調を崩したとか、急な仕事入ってしまったらどうしますか?
旅行のプロは、常に「キャンセル・変更」のリスクを頭の中に入れて行動しています。
つまり、当日になってみないと、自分が時間に間に合うように空港に無事到着できるか分からないのです。
そんなときに、自分の予約したチケットが「キャンセル・変更不可」の格安チケットだったらどうでしょう?
自分の意志で出発日を変更したり、キャンセルすることができなくなってしまいます。
後から空港に行って泣きついたり、暴れてもどうにもなりません。
知らなかったとはいえ、自分の意志で格安チケットを買ったのだから仕方が有りません。
ということで、同じエコノミークラスを選ぶにしても、(特に仕事で渡航する場合は)、キャンセル・変更可能なチケットを選ぶようにしています。
ANAでいうと、ValueかSpecial 以上(Supervalueは使わない)を予算に応じて購入するようにしています。
また、チケットの値段は、出発地によっても異なります。
例えば、ANAの場合、同じ時期の羽田発ニューヨーク着の往復チケットと、ニューヨーク発、羽田着の往復チケットの値段は、後者の方が安くなります。
何故でしょう。不思議ですね。
理由は簡単で、ANAは往復チケットの場合、羽田発は日本居住者、ニューヨーク発は米国居住者がお客様となります。
ANAは、日本では日本人が主な顧客です。多少値段を高く設定しても、「ANAは、安全でサービスがいい、日本語が通じるから、日本のフラッグシップキャリアだから」という理由で購入してもらえます。ですので、値段を下げなくても買ってくれるヒトが一定層は存在している状態です。
一方で、ニューヨークで考えた場合どうでしょう?ニューヨーク発東京行きの航空会社はたくさんあります。しかも、現地アメリカ人にはANAは日本のどの知名度はありません。
したがって、チケットの値段を他社よりも安くしたり、同じ値段でも付加価値をつけないと、現地では買ってもらえないということになります。
基本6 自分に合った航空券とはどういうものか?
では、最後に、どのように自分に合った航空券を選んでいけばいいかを説明します。
目的と余裕がキーワードになります。
目的は、自分の個人的な趣味や娯楽のための渡航なのか、ビジネスや留学、ホームステイなど、相手の伴う渡航なのかによって判断しましょう。
自分の趣味・余暇・娯楽のための渡航であれば、現地や現地空港でのトラブルは、帰国の遅延につながり、自分の仕事などに悪影響を及ぼします。
一方で、ビジネスや留学など、現地での活動が自分の人生で欠かすことのできない活動の場合、無事に現地に到着できないと相手方への信用を失ってしまいかねません。
何れにせよ、アライアンスをミックスするとか、キャンセル・変更のできない格安航空券を購入するという行動は、それらのリスクを一旦、自分の中に全て受け入れ、消化してから取るべき行動であって、旅行者としてはかなり上級者の行動であることを行っておきます。
海外に出ると、全て自分の行動は自己責任として動かないといけません。自分自身がどれだけリスクを取れるか、時間的・経済的余裕をもってチケット発券、渡航できるかにかかっています。
現地での約束もなく、時間に余裕のある方は、格安航空券もいいでしょう。
一方で、タイトな旅程で海外を往復したり、乗り継ぎ数が多くなる場合は、少し高くてもキャンセル・変更可能な航空券を予約されることをお勧めします。
そして、これらのキャンセル・変更可能な航空券をお得に発券するためには、航空会社の複雑なチケットシステムを理解し、準備する他ありません。
誰か(例えば、旅行会社)に頼むことも可能かもしれませんが、海外に出るときは、いつも、その方を頼って発券を行わないといけなくなります。
当然、そのためのマージンも必要になるでしょう。
私自身は、アライアンスを決め、利用する航空会社(ANAの他、同じアライアンス内のU社、S社、E社、L社をよく使います。)の渡航ルートを理解することで、自分自身で旅程がある程度自在に組めるようになりましたし、旅行会社や旅行サイトが提示してくる格安航空券が自分にとっていいものかどうかも判断できるようになりました。
そして、何より今では、安全かつ計画通りに旅程をこなしつつ、経由地も含めて海外渡航を楽しめるようになりました。
マイレージや航空会社のステータスなども勉強していけば、自分が世界で活躍するための強力な武器になります。
千里の道も一歩から。
動機は何でも構いません。自分が海外に出たい!外の世界を見てみたい!と思った瞬間から勉強は始まります。
今回は航空券の入口をお話しましたが、ここでは、ほんの触りだけしか書いていません。
もし、ご興味が有りましたら、直接聞いてみてください。思いがけない裏技が発見できるかも知れません。
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