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【ぬくもりを感じられるのは】量子という存在に感謝

私たちは皆、原子でできていて
その原子というのは、
原子核と電子からできていて

中心に原子核があって、
その周りに電子がいるのだけど
原子の大きさに対して、
原子核は10万分の1くらい。

たとえば原子が4畳半の部屋の大きさとしたら
原子核は髪の毛の太さより小さい。

つまり私たちは、ほとんどスカスカ。

なのに握手をしたり、触れたりできるのは
原子の周りに漂っている電子同士が反発する
電磁気力があるからで

電子が原子の表面を覆うことができるのは
電子が波の性質を持っているから。

そうでなければ、
握手することはおろか、
世界はこうなってはいなかったんだろう。

人と人が触れる=ぬくもりを感じるのは
量子という、粒と波の性質をもつおかげ。


ぬくもりと言って思い出すのは
「風に舞い上がるビニールシート/森絵都」

もうずっと前に読んだので、うろ覚えだけど
難民支援機関に勤める男が
戦地で身を挺して少女を暴漢から守り
命を落として

少女を抱きしめながら死んでいった男について
「彼はきっと、
最期に人のぬくもりを感じていたんです」
という主人公のセリフ。

世界の悲しみと闘い続けた彼が
最期に何を思ったか、
人を抱きしめたときのぬくもりを通じて
何を得たのか、
ものすごく想像力を掻き立てられるのだけど

抱きしめるという行為、
そこから感じる「触れている」実感は、
電子の反発力がもたらしているわけで

ぬくもりを感じることと
ミクロの世界の出来事との関連を思う。


量子力学。
不思議だなと思うことがたくさんだけれど
身近な生活のなかに存在している現象の
メカニズム。

普段当たり前に感じて意識すらしないような
事象のなかに
世界の神秘を見出すのは楽しい。


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