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河童のカータン

夢を見たのだろうか

今朝は早い時間に職場に着いた。
というのも午前9時30分には 梅雨の空らしく雨が降る予報で
その時間のかなり前にバイク出勤した。

8時には到着し朝食をとるために 職場のアーケード街を自転車で チェーンのコーヒーショップに行く。
コーヒーが飲めない私はアイスミルクと 厚切りのバタートーストを頬張ると 「うんうん、さすが専門店の味だ」 とガラス越しに薄く曇った空を
ボーっと見る。

セルフサービスのアイスウォーターを 最後にいつものようにごくんと喉を鳴らして 飲み干すといつものように店員が
「お気をつけて、ありがとうございます」
背中にその声を受けながら職場に向かう。

アーケードの隙間から見える空はさっきより 少しだけ明るくなったようにも見える。

職場に着き開店準備をしようとしたその時 なぜか気なる人影が少し早足で こちらに向かって来る。
胸騒ぎがする。 こんな時は必要以上に冷静を装い なんでもないよ然として振る舞う。
こちらに向かって早歩きして来る人物の その姿と顔がハッキリとわかった。

その表情は慌てる様子もなく口角は 上がっているが少し息が荒そうだ。
全く知らないその人物に何故か猛烈な 違和感を感じ、凝視して固まってしまった。
40少し前に見えるガッチリ体型の 女性は黄色いクロックスサンダルを はいている。 緑色の上下ジャージを着ている。

そしてどう見ても半年以上前に 買ったであろうダイソーの雨ガッパ を
フードまでしっかりかぶり ボタンを全てとじて着用しているのだ。
天気は曇りだがカッパは必要ないはず。

よく見ると湿気なのか半透明の素材が 内側から所々曇っている。
汗のようだ。 曇ったカッパは彼女の心なのか?
私の頭はフル回転でその理由を考える。
雨でもないのに非常に蒸し暑い7月に 何故カッパをかぶり早歩きなのか。

何故女性なのか、イヤご婦人に見える LGBT関係の方だろうか
イヤそれは タブーだから考えるなとか余計な事で 頭がいっぱいになってしまう。
しかしそれでは全てを説明出来ない。
私の脳細胞ひとつひとつフル動員して ある妥当な結果が導き出された。

「この人のサウナ🧖‍♀️スーツなんだ」

昔、山田邦子と渡嘉敷がクニちゃん トカちゃんサウナスーツのテレビ通販を 毎日何度も放送していたのが懐かしい。

彼女はクロックスサンダルをこぎみよく 動かしながらアーケードをさらに進む。 信条の元、自分を信じて明日を生きる。
曇りガラスの向こうにはきっと素敵な 未来が待っていると信じて。

なんか頑張れ 知らんけど

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