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レストア編2【好きでもないバイクと付き合うということ】

 実は、VTZのレストアと平行して、もう1台同じVツインエンジンエンジンを搭載していたマグナが手元にあった。別に欲しくて買ったわけではなく、ある事情でやむなく手元にあったのだ。この車体は、距離はそこそこ少なかったが、エンジンは不動でアルミ錆が多く、ホイールからハンドルスイッチなどアルミ部分はとにかく白かった。唯一タンク内は錆びておらず、それだけが救いだった。

 フロントサスのオーバーホール、サスのボトムケースや前後ホイールなど、全てハンドポリッシュして結局走れるようになるまで3年と半年を要した。ついでに旧横浜ライニング製のステンレスライザーと、今は無きイージーライダースのナイトロヘッズコブラシートに換装した。


 私は、基本的にアメリカンとカテゴライズされる車体が嫌いで、Vツインが嫌いだ。水冷があまり好きではない。正に好みの正反対の車体が手元に残ることとなった。普通に考えれば最低のバイクライフが展開されている。唯一楽しいと思ったのは、手を加えるごとにアンチエイジングされ、新車時以上にキラキラしていくことだった。

 VTZは廉価版とはいえ、40馬力をたたき出し、今の単気筒250クラスの2.5倍近いパワーを絞り出している。同じVツインファミリーとはいえ、マグナはゼルビス系のエンジンなので、27馬力だ。キャブも、インテ―クもVTZとの共通性はない。ましてや、ギア比もエンジンそのものも、中低速側にチューニングされている。VTZと比較すると明らかにエンジンの伸びやかさに欠ける。しかし、ずぼらライドの許容範囲は格段に広がった。そして、どのギアからも同じような加速力で加速する特技はより一層強化され、高速では心地よい眠りに誘ってくれる。快適だ。永眠しちゃいそう。


 レストアが終わったらとっとと売却しようと思っていたが、思いの外費用が掛かり、売却相場が合わずそのまま家に居座っているマグナ。最近では、ツーリングの相棒としての地位を確立しつつある。

 マグナに乗り始めて気付いたことも多い。車体長は2m30㎝を超える。250クラスとしては大柄だ。ましてや車高も低い。ハンドルもライザーハンドルにしたので、軽い前傾姿勢だ。小排気量車にありがちな、横風のふらつきなどほとんど感じない。高速を走っている時には本当に助かる。

 峠のタイトターンなんかは実に面白い。全く曲がらない。元々アメリカンなんだから当たり前で、アウトイン(本当は、アウトインアウトが、コーナリングの原則)を忠実に実行しないと、コーナーの出口で本当にアメリカンフィーリングになってしまう。えっ、どういうことかって、コーナーの出口で気付いたら、反対車線を走行してたってことです。そこは小排気量なのでライダーの力技も駆使して、ねじ伏せながらコーナーを脱出するのは面白い。80年代の立の強いネイキッドバイクを、ハングオンで走り抜けるあの感覚に似ているように思う。

(※注 上記はアメリカンバイクの誤った使用方法です。アメリカンバイクは、直線をのんびり走る事に使用してください)  続く…
 

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