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アート×ビジネスの歴史

「アーティストが社会や企業に入り、意思決定の場にいるような動きをつくっていかなければいけません」

世界トップキュレーターのオブリストさんは先日、芸大の公演にて、こう話されていました。

では彼は、実際に企業とどんな取り組みを行っているのでしょうか?  話を聞くと、アニエス・ベー、ボルタンスキーと取り組んだ「ポワンディロニー」が始まりの一つだね、と答えてくれました。

「ポワンディロニー」は、アーティストにフリーペーパーの全スペースを託し、紙の上で作品を展開してもらう紙上展覧会です。このフリーペーパーは、世界中の店舗にくわえて、映画館・美術館などで合計10万部ほどを配布。お客さんからすると、アートとの予期せぬ出会いが生まれます。

例えばこちら。日本人の島袋(しまぶく)さんの号です。

アートとビジネスとの、100年にわたる歴史

「アートをビジネスに取り入れる」という話をすると、

・それは、流行にのっているだけじゃないか?
・アートをビジネスにのっけていいのか?

と考える方もいるようです。

ただ、オブリストさんの話に耳を傾けるならば、ポワンディロニーの事例は1990年代にすでに始まっており、現在まで62号発行されています。

また、『アート・イン・ビジネス』(有斐閣)では国内におけるアートとビジネスとの関係史を100年スコープでまとめました。

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▶︎引用:アート・イン・ビジネス(第6章、p. 87)

歴史をたどると初めは「支援」がメインでしたが、近年はアートをオフィスに入れたり、作家と話して共同でプロダクトをつくるなどアートとビジネスの距離が近づいてきている傾向がみえます。

そこで美術回路では「アート・イン・ビジネス」という言葉で、この時代を表したのでした。

今回は過去事例も紹介しながら、アート・イン・ビジネスの歴史にふれました。

代官山蔦屋でのイベントでも、歴史と具体例の両方を交えながら、著者たちがお話します。(1/29水 19時〜)オンライン予約、始まりました。

さらに福岡市でも講演会が開かれます! こちらのテーマは「まち創りとアート」。

東京、福岡のみなさん、よければ会場でお会いしましょう! 来れない方も、アート・イン・ビジネスで分からないことありましたら、ご質問お待ちしています。

ひがし


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