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北海道美幌町にて、地域課題解決&事業開発 夏期インターンを実施しました!

2024年8月10日〜8月29日の20日間にわたり、地域おこし協力隊インターンを実施いたしました。

今回のプログラムでは、関東、中部、関西地方から来てくれた3名の大学生がインターン生として参加し、地域課題解決と事業開発を目的に活動に取り組みました!

本プログラムの実施にあたり、協力してくださった地域の事業者様、美幌町役場の皆様、グランピングにご宿泊頂いたお客様、参加してくれたインターン生の皆様に深く感謝申し上げます。

本インターンのフィールド:美幌みどりの村について

美幌町は中心街の半径2km圏内に都市機能が集約されたコンパクトシティです。その中心街から車で10分ほど離れたエリアに「美幌みどりの村」はあります。農村学習と地域交流を目的として整備されており、美幌博物館やキャンプ場、研修宿泊施設やWorkingSpace KITENなど様々な施設があります。

現在、キャンプ場では、フリーサイトとバンガローの2種類が提供されています。本インターンプログラムでは、美幌みどりの村の将来的な可能性を開拓することを目的に、「グランピング」を期間限定でオープンして実際にお客様をお招きし、そのご滞在を充実させるコンテンツの開発と提供に取り組みました。

インターン生のご紹介

寳門 海さん(左)と田中 柚さん(中央)、編塚 晃希さん(右)

今回、このインターンに参加してくれたのは、大学3年生の寳門 海(ほうもん かい)さんと田中 柚(たなか ゆう)さん、大学4年生の編塚 晃希(あみづか こうき)さんです。

全員が道東地区は初めてで、自身が日頃学んでいることの実践機会や就職活動、将来的な移住など、様々な角度から美幌町に関心を持って訪れてくれました。

時期はお盆真っ盛り。不安と期待の入り混じった表情で到着し、翌日から早速プログラムが始まりました。

インターンプログラムの流れ

本プログラムは大きく分けて6段階のステップで進行しました。
今回は、そのステップに沿ってインターン生の様子をレポートいたします。

①導入:イントロダクションと自他の理解
②「地域を知る」:地域交流およびフィールドワーク
③「地域の魅力を発見する」:地域交流およびフィールドワーク
④「地域の魅力を整理し、形にする」:企画設計、準備
⑤「地域の魅力を提供する」:顧客へのサービス提供
⑥活動報告会:地域課題の抽出と事業提案

①導入:イントロダクションと自他の理解

本インターンは地域課題解決と事業開発を目的として開催をしたのですが、まちづくりや事業開発の経験が無いインターン生たちが突然、地域の課題解決をしようと思ってもすぐには出来ません。
その為、まずは自分自身を分析し、インターンを通じて解決したい個人の課題解決から取り組みました。地域課題という大きな課題を考える前に、より身近で小さい単位における課題設定と解決に取り組むことを狙いとしています。

個人探求ワークショップの様子

KJ法をつかった自己理解のワークショップや、インタビューを通じた他己紹介などを行い、20日間のインターン生活の中で起こす変化と具体的なアクションまで含めた、目標設定を行いました。
また、自身の探求だけでなく、お互いの異なるバックグラウンドについて理解を深めることで、「チーム」としての関係性を深めるきっかけにもなりました。

インターン期間中は、設定した個人目標に対する振り返りを毎日行い、スタッフにフィードバックをもらいながら軌道修正するなど、「マイプロジェクト」として押し進めてもらうことで、PDCA(Plan=計画/Do=実行/Check=評価/Action=改善)サイクルを回していきました。

②「地域を知る」:地域交流およびフィールドワーク

今回のプログラム中に、彼らが挑戦した課題は、大きく分けて下記2つです。

・チーム課題
 美幌町の地域資源を活かしたBBQメニューの開発と顧客への提供
・個人課題
 美幌町の地域資源を活かした滞在型観光サービスの開発と提案

これらの課題に向けてまず取り組んだことは、「グランピングの試泊体験」。キャンプ場でテントを張って一晩寝てみるなど、町に来たばかりのフレッシュな感覚を活かし、実際に美幌町に訪れる人の目線でサービスを体験しました。その他にも、実際に美幌峠に訪れてみたり、夏のアクティビティに挑戦してみたりしました。

実際に試泊したグランピングテント
雄大な自然に囲まれた、観光アクティビティ(SUP)の体験

地域の文脈理解

翌日から2日間は、地域の文脈理解に取り組みました。美幌町を含むオホーツク全体の歴史や風土、美幌町が挑戦していることや描いている未来、そして、美幌みどりの村の現在について、ヒアリングを実施。
「開拓の歴史があるからこその、美幌町の人々の前向きに挑戦する姿勢に納得した」など、この地ならではの魅力に気づきました。

美幌博物館さまへの訪問
美幌みどりの村振興公社さまへの訪問

③「地域の魅力を発見する」:地域交流およびフィールドワーク

「農業」を切り口にした魅力発見

地域の文脈理解後は、課題に対してより具体的な調査に入っていきました。
今回はBBQメニューの開発ということで、美幌町の基幹産業である「農業」を切り口に、町内の各事業者に訪問しました。
「農業ってそもそもなに?」「美幌町ではどんな農作物がとれるの?」といった基礎知識はもちろん、生産の過程を体験したり、加工商品の製作ストーリーを聞かせていただいたりなど、「今後の美幌町が”農”や”食”を通してどんな挑戦をしようとしているのか」に直に触れながら、地域の魅力を見つけていきました。

農業の基礎知識や今後目指していることについてヒアリング(JAびほろ さま)
農作物の収穫体験を通して生産の過程をヒアリング(さいこうファーム さま)
地産食材の加工と工夫、地域への効果についてヒアリング(びほろ笑顔プロジェクト さま)

また、町内の飲食店や直売所にも訪問し、収穫された食材がどのような形で食事として提供されるのか参考にしました。

複数の町内飲食店に訪問し、調理と提供のヒントを得る様子
町内の複数の直売所へ訪問し、ヒアリングを実施

④「地域の魅力を整理し、形にする」:企画設計、準備

「また美幌町にきたい」を生むBBQメニューの開発

地域の魅力を集めたら、いよいよテーマ課題の1つである「美幌町の地域資源を活かしたBBQメニューの開発と顧客への提供」に向けた企画設計に挑戦しました。

メニュー開発にあたっては、美幌町の食の魅力が伝わりやすい農作物を活かせるように、BBQコースのうち下記3つのメニューを1人1つ担当しました。

・野菜の盛り合わせ
・アヒージョ
・夏らしいさっぱりとしたサイドメニュー
※コースには、その他に肉の盛り合わせや調味料等もあり

このチーム課題に取り組むうえでのポイントは、「ただメニューを開発する」のではなく、「顧客にとってのかけがえのない思い出になり、美幌町にまたきたいと思ってもらうような体験にする」というところにあります。
集めた情報を組み合わせ、魅力を具体的な形にし、伝わる状態を作る必要があるため、基本的な思考のフレームや専門的な観点を学びながら進めました。

得た情報を整理しながら議論

「どうやったら魅力を食で表現できるのか」
「表現したものをどのように提供したらしっかり魅力として伝わるのか」
顧客の目線に立って思考し続けました。
また、コストの計算や仕入れ先など、持続性のある提供物にできるよう、複数回にわたる試作を実施し、完成させました。

決定したメニューの試作

⑤「地域の魅力を提供する」:顧客へのサービス提供

彼らは思考の末に、メニューの開発だけでなく、よりメニューの背景にある美幌町の魅力が伝わるような工夫にも挑戦しました。
滞在している場所の理解を深めたり、グランピングの宿泊後も町内を楽しんでもらえるような、顧客と美幌町をつなぐ設計を考えました。

メニュー表(左)と、メニューを通した美幌の魅力紹介(右)

実際の提供にあたっては、FoundingBaseの観光事業に3年間従事してきた社員からのアドバイスを受けながら、顧客の属性をもとに事前に場面を想定しながら接客に挑戦しました。

BBQコースの提供とご案内の様子

地域の歴史、風土、そこで育った食材、そして目の前の提供物にいたるまでの過程と人々の想いを知っている彼らだからこそ、自信を持ってこだわりをお伝えしました。結果として、党実は悪天候の滞在だったにも関わらず、その後の顧客アンケートではすべての項目において満点評価を頂きました。

⑥活動報告会:地域課題の抽出と事業提案

インターン最終日には、インターンプログラムに関わった美幌町役場の方々と、地域の方に向けて最終報告会を実施しました。

チーム課題の報告と実際に提供したBBQメニューのお披露目はもちろんのこと、個人課題に対しても、インターン生3名それぞれにとって
・プログラムの中で学び、感じたこと
・美幌町における事業提案
の2点に分けて発表をしました。個性あふれる報告と提案に、多くの関心を寄せてお聞きいただきました。

活動報告会で考案したBBQメニューの紹介と試食会を実施

一番印象的だったのは、インターン生が共通して「今回の活動・体験を通じて、美幌町がとても好きになった」「また来たい」と表現してくれていたことです。ここから、今年度も本インターンの趣旨である「美幌町を知り、体感することでまちを好きになり、本質的な関係人口となる」ことの第一歩が達成できたと振り返っています。

インターン生の変化

美幌町やオホーツクを知り、地域を好きになっていく

美幌町やオホーツクの観光資源を知り、まちづくりの最前線に飛び込んでくれたインターン生たち。

インターン生たちがプログラムに期待していた「実際に地方に中長期滞在をし、まちづくりの現場を体験する」ということを実現できる環境をフルに活用し、まちの人たちと沢山の接点を持つ中で、インターン生自身の思考や考え方がアップデートされていきました。

さいこうファームさんで一緒に作業した地域の方と
元地域おこし協力隊で元アウトドアガイドの方との一コマ

関係人口への変容

インターン参加当初は、期待と不安が入り混じった固い表情だったインターン生。チームで取り組むからこそ葛藤する場面もありました。しかし最終日には、たくさんの経験や学び、日々の取り組みを通じて一皮向けた言動や表情になり、頼もしさを強く感じさせてくれました。

最初は「挑戦のフィールドとして美幌町を選んだ」彼らですが、まちと向き合う中で自分自身とも向き合い、事業づくりと地域活動に関わる過程は、本プログラムが終わった後も美幌町に関わり続けたいと感じられる経験になったのではないかと考えています。

活動報告会後の地域の方との交流の一コマ

本プログラムの展望

若者が縁もゆかりもない地方に赴き、事業やプロジェクトに主体的に関わってもらうことで、その町の関係人口になっていく。今回のインターンプログラムを通じて、そんな「個人」と「地域」との接続に可能性を見出すことができたのではないかと感じています。

冬期もインターンを実施する予定です!

2023年度から開始した美幌町の地域おこし協力隊インターン。2024年度の冬もインターンを開催する予定です。

プログラムの詳細内容は、絶賛企画中となっています。募集開始次第、こちらのnote等でも告知をする予定なので、ぜひ引き続きチェック頂けましたら幸いです。乞うご期待ください!

2023年 夏期インターンの様子はこちらからどうぞ!https://note.com/bihoro_working/n/n2ea815caac2b