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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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2021年11月の記事一覧

エクストリームテストの目的とは何か -  エンデューロ日記 No.29

「エクストリームテスト」は、FIMエンデューロ世界選手権の「プロ化、メジャー化戦略の一環だった。 2003年から昨2020年までプロモーターを務めたABCコミュニケーションが導入した。エンデューロライダーたちのテクニックは素晴らしく、それは現場に居ればスピード感が質量を持って迫り、見るものを感動させる。 でも、映像ではどうだろうか。 プロモーターは、EURO SPORTSをキーにする、全世界に向けたテレビ放映を不可欠なものとしてメディア戦略の軸に置いていた。そこで、もっ

頂点の2日間競技 - ENDURO GP - No.237より

最強最速のライダーを決するチャンピオンシップ、それがFIMエンデューロ世界選手権。近年はメジャー化戦略によって多くのプロライダーを生み出すようになり、スターを志すユース世代からも豊かな才能を集めている。ENDURO GPとは何か。 History その歴史  ENDURO GPはFIMエンデューロ世界選手権の別名で、1990年にそれまでの欧州選手権から格上げされて現在まで続くものだ。欧州選手権は、1968年に始まっており、世界選手権が開始されると同時に一時中断していたが、1

YAMAHA WR250F - リアルエンデューロ メイドインジャパン - No.237より

4ストローク250ccクラスに旋風を巻き起こしたチタン5バルブDOHCユニット。欧州のシーンを強く意識した構成。WR250Fはエンデューロ史に何を残し何を伝えるのか・ Text : Hisashi Haruki 1990年代後半の環境保護機運  エンデューロ世界選手権、ISDEを含むエンデューロ競技に4ストローク250ccクラスが創設されたのは1998年。世界的な環境保護機運の高まりの中で、FIMはすべてのカテゴリーで競技車両の4ストローク化を推進していた。多くのメーカー

TIME TO RIDE - 冒険への扉 Door Of Adventure」大鶴義丹 No.237より

 「DOA」こと、人気二輪ラリーイベント ・ Door Of Adventure ・ 南会津ラウンドに、愛機CRF1100L アフリカツインで参加した。DOAのイベントには、最初に参加したのが何年前なのかも忘れてしまったくらいなので、今や、勝手知ったるなんとやらである。  しかし今回は首都圏のコロナ緊急事態宣言がギリギリで解除され、まるで神頼みのような開催であった。またこんな時期に快く、スタッフも含めて全国から数百人の人間が集まる大規模イベント開催を快諾してくださった、福島県

JEC RUSUTSU TWO DAYS - Wウイン飯塚翼 - No.237より

昨年に続けて北海道ラウンドは日高を離れてルスツでの開催。日本のエンデューロライダーのために用意されたステージは、オープンロードに展開したトラディショナルスタイルの2日間競技。 MFJ全日本エンデューロ選手権 R3/4 2021年9月18-19日 北海道留寿都村 Images : 伊井覚 off1.jp 1日32.5km×4周と距離が短かったが、2日目の最終タイムチェックでは多くの選手がタイヤ交換をする 両日5位は順当か。太田幸仁(TEAM RABBIT)、ランキングでは

電動バイクで走ったJECルスツ2デイズ - No.237

エンデューロテストを攻める矢野さん。WEXやJECエリア戦でもテスト。満を持しての全日本参戦「軽量なだけに体重移動が大事みたいです」とのこと たぶん日本で初めて公道エンデューロに出場したエレクトリックモーターサイクル。2台のSUR-RONが、全日本エンデューロ選手権北海道大会で完走を果たした。Photos : 伊井覚 off1.jp 公道イベントなので保安部品のチェックも受ける 実証実験のスタート 「CO2の削減を始めとした環境負荷の低減という意味で、モータースポー

SIXDAYS ― 孤高の6日間競技を知る - No.237より

世界中のライダーが生涯に一度はと憧れるFIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ。1913年から現在まで、ほぼその形を変えずに存在してきた6日間競技とは何か。 Text / Hisashi Haruki 2022年はフランスで開催 FIM=国際モーターサイクリズム連盟は、2022年の第96回 FIMインターナショナルシックスデイズエンデューロ(ISDE)の開催地をフランスに決定したことを発表した。  ISDEは、モトクロスオブネイションズ、トライアルデナシオンと同

The atmosphere - もうすぐSUGOツーデイズ- エンデューロ日記 No.28

来週、2021年11月21-22日、SUGOツーデイズが宮城県のスポーツランドSUGOで開催される。地元、村田町の協力を受けていることから、昨年から「村田SUGOツーデイズエンデューロ」というのが正式名称になった。JEC(MFJ全日本エンデューロ選手権シリーズ)の最終戦。今季は、最高峰のIAクラスをはじめランキング争いが白熱していて、個人的にもその行方に強い興味を持っている。飯塚翼Shercoと、保坂修一GASGASは僅差で最終戦に臨む。また、3位、4位争いも僅差。内山裕太郎

100万円でISDEに参加できるか? -  エンデューロ日記 No.27

他国では「狭き門」のISDE参加だが、日本ではいまのところ誰でも希望すれば参加が可能だ。 「そろそろISDEでも走って見るか!」という程度のモチベーションで考えるのは、大抵は、そろそろシックスデイズライダーとしての限界に近付いているおじさんライダーなのだから、あまり躊躇しないでエントリーするほうがいい。おじさんの数年はあっというまに過ぎ、時期を逃してしまうことになりかねない。ストリートリーガルで走れるガソリンエンジンのモーターサイクルという存在そのものの寿命も、そろそろ尽き