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電動バイクで走ったJECルスツ2デイズ - No.237

エンデューロテストを攻める矢野さん。WEXやJECエリア戦でもテスト。満を持しての全日本参戦「軽量なだけに体重移動が大事みたいです」とのこと

エンデューロテストを攻める矢野さん。WEXやJECエリア戦でもテスト。満を持しての全日本参戦「軽量なだけに体重移動が大事みたいです」とのこと



たぶん日本で初めて公道エンデューロに出場したエレクトリックモーターサイクル。2台のSUR-RONが、全日本エンデューロ選手権北海道大会で完走を果たした。

Photos : 伊井覚 off1.jp

公道イベントなので保安部品のチェックも受ける

公道イベントなので保安部品のチェックも受ける


実証実験のスタート

 「CO2の削減を始めとした環境負荷の低減という意味で、モータースポーツにも変化が求められています。そのことにいち早く挑戦したいと思ったこと、それとこのバイクで、いろんなシチュエーションを走れるということが楽しみでしょうがなかったんです」というのは、今回、仲間と2台のサーロン(電動オフロードバイク)を揃えてJECルスツ2デイズに参加した矢野司さん。「とにかく楽しいんですよ、このバイク」と強調した。このJECルスツを前に、クロスカントリーレースのWEX、JEC北海道エリア選手権にも出場し、完走しているが、一般道路を含むロングコースのイベントには初挑戦だ。
 「実証実験的な意味での参戦でもありました。ルスツのコースは約32.5km、距離だけだったら充分に走り切れる数字ですが、高いところで標高1000メートルを超え、アップダウンが激しい。それにスペシャルテストは全力のタイムアタックですから、バッテリーの持ちが一番の不安要素でした」。
 カタログスペックでは、満充電で100kmの航続距離があるが、フルパワーモードで高負荷をかけ続けると、その距離はぐんと短くなる。



水と泥対策は

 「搭載しているバッテリーの他に2本用意して、中間のタイムチェックと、2周目に入る前にタイムチェックで交換しました」。いずれもインジゲーターは残30~40%程度を示していたという。
 「もう一台エントリーしていた選手は、実験として1周を交換無しで走ってもらいました。それでも10%残というところだったので、まあ1周は走れる感じでした。私はテストもしっかり攻めたかったので安全策で早めに交換していたわけです」という矢野さん。
 もうひとつの不安要素であった「水」への耐性はどうだったのだろう。
 「今回は2日間ともほぼドライコンディションでしたが、雨で、深い水たまりが多いことも想定していたので事前に水の走行もテストしていました。水深でいうと40cmぐらいの川を走っても不具合は起きなかったので、ルスツでは心配していなかったです」。
 またマディ対策としては「標準では静粛性のために一次減速にコックドベルドが使用されているんですが、ここが泥詰まりでトラブルになることがあるので、純正オプションのチェーン駆動に変更しました。ルスツのマディはヤバいんで(笑)。ちょっと音が大きくなるんですが、本格的にダートを走る人にはおすすめです」。

JEC初出場ながらCクラス9位で見事完走の伊部さん2

JEC初出場ながらCクラス9位で見事完走の伊部さん2


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