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AI時代に人類が迎える「真の脅威」2

こんにちは、のぐです。今回の書籍は、新井紀子さんの「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」です。いつものように、本記事でご紹介する内容をA4(今回はその半分)にまとめてみました。世に存在するAI本は「シンギュラリティが来る」や「AI時代に絶滅する職業」のような恐怖を煽りますが、本書はそのようなものとは異なった角度で、人類に「危機感」を伝える作品となっています。AI時代に人類が迎える「真の脅威」とは?文理問わず全人類必見の内容です。ちなみに自分は今、本記事でのちにご紹介するAI技術の1つである「機械学習」を事業としている企業にインターンさせていただいています。自分の経験を元に現場の声も混ぜ合わせながら、正しい事実をご紹介できるよう心がけますのでぜひ最後までご覧ください。

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結論

本書の結論をズバリお話しします。

今後はAIにできないことを極めましょう。それは大きく分けて2つ。
1つは「読解力」、2つ目は「フレームにとらわれない柔軟な発想」

AIにできないことについてはこのあと詳しく述べていきますが、ここで簡単にご説明いたします。まず「読解力」とは、「文章を読み、その単語や文脈を正しく理解する能力」であり、次の「フレームにとらわれない柔軟な発想」とは、「常識という枠から一歩外に踏み出し、未だかつてなかった発想」です。これらについてのもう少し踏み込んだ内容を本記事でご紹介していきます。こちらは後編となっていまして、前編であるAI時代に人類が迎える「真の脅威」も合わせてご覧ください。前編は「筆者の方が考える未来予想図」や「AIの歴史」について紐解いていく内容となっています。

AIの弱点

筆者の方はAIの弱点は2つあると仰います。

①言語の意味を理解できない
②ヒトの常識の壁

まず第一にAIは言語の意味を理解していません。計算機に過ぎないAIは数学的処理は高速にできますが、それ以外のことは苦手です。ここで数学的処理というのは「論理」「確率解釈」「統計学」の3つです。

例えば、「論理」は『A=B,B=CならばA=C』のような明確な理論があり、それを応用して様々なタスクを処理していくもの、「確率解釈」は「論理」では説明のつかなかった「曖昧さ」を厳密に表現したもの、「統計学」は「理論」や「確率解釈」を体系化して様々なタスクの「推定」「検定」を行う領域です。

話を元に戻します。言いたいことは「計算機に過ぎないAIは文章の意味を理解しづらい」ということです。ではGoogle翻訳やsiriはどのようにして言語の意味を理解しているように見せているのでしょうか。実は、統計学や情報処理を駆使して、その文章の「大切な部分のみ」を抜き取り、その単語の意味を検索して調べることによって、文章の意味を「大まかに」理解しているように見えます。

例えば、siriに

「HEY, siri ! 近くの中華料理店を教えて」
「HEY, siri ! 近くの中華料理店以外を教えて」

と話しかけてみてください。人間でしたら、この文章は真逆のものを提示することでしょう。しかし、siriは「同じもの」を提案してきます。「以外」の意味を把握できていないからです。このことが、siriが文章を理解しようと試みる際に、その文章の「大切な部分のみ」を抜き取り、その単語の意味を検索して調べる、という段取りを経ている証拠です。「以外」は大切な情報ではないと弾かれてしまったのです。

次にAIが不得意とするところが「ヒトの常識」です。『右と左』の空間的な区別、物体が落ちるなどの物理的現象など「ヒトからすれば常識」の領域がAIには組み込まれていません。こちらは筆者の方の危惧されるところではないので割愛しましょう。

悲惨なテスト結果

AIが不得意とするジャンルすなわち基礎的な読解力を必要とするテストを全国の教育機関に受けてもらった結果、とても悲惨な事態にあることを受け入れなければならなかったと筆者の方は仰います。このことは

今までの教育は、AIに代替される人材を養成してきた

と結論づけざる終えない状況であったのです。テストの具体的な内容については本書をお手にとってみてください。

AIに代替されない人材

AIに代替されない人材になるためには次の2つのスキルが求められます。

- 読解力
- 柔軟な発想

まず、最初にして本書の根幹でもある「読解力」についてお話ししていきます。繰り返しますが「読解力」とは、「文章を読み、その単語や文脈を正しく理解する能力」であり、これができない子どもたちが多すぎるということが筆者の方が最も危惧される内容です。基礎読解力を測るテストは想像よりも難しく、大人が試してみても、できない方が多かったりするという実験結果も出ています。「読解力」は、まず第一に学習をする際に必ず必要となります。自習をする際には「教科書」や「信頼度の高いインターネットの記事」、「本」などの文章を正しく理解する力が前提となります。これを無くして「アクティブラーニング」などの導入は話が飛躍しすぎていると筆者の方は考えておられます。また、さらに「読解力」は「コミュニケーション能力」にも関わります。「コミュニケーション能力」とは、「相手の主張する内容を客観的に正しく理解し、適切な応答ができる能力」です。相手の主張を汲み取ることができなければ、適切な応答も難しく、人生に関わると言っても過言ではないかもしれません。社会とは人と人とが関わっていく場であるので、「コミュニケーション能力」やそれを支える「読解力」が左右する場面は多々あります。

二番目の大切なスキルとして「柔軟な発想」があります。ここからは自分の持論になりますが、「柔軟な発想」をするためには「既存のモノを組み合わせる力」が大切であると考えております。例えば、iphoneは「スマートフォン」×「ブランド」で成り立っています。身近なものである「スマホ」に「美しさや上品さ」という価値を乗せることによって、iphoneというイノベーションが生まれました。「電話という身近なものだから地味」とか「ブランドは衣服やアクセサリのみ」といった常識にとらわれていては、iphoneという発想は生まれなかったでしょう。既存の常識・知識の組み合わせが、時に「その常識から外れたもの」になるということがありえます。これを人は「イノベーション」と呼ぶのだと考えております。

まとめ

本記事をまとめます。まずは数学的処理しか行えないAIが苦手とする領域を2つご紹介しました。

①言語の意味を理解できない
②ヒトの常識の壁

これを踏まえて、AIに代替されない人材になるために2つのスキルが必要であることをご紹介しました。

- 読解力
- 柔軟な発想

1つ目の「読解力」は2つの意味で人生を豊かにします。文章を正しく理解できていれば、積極的に自習ができるのでその分、知識を多く得られる。もう1つの意味は「読解力」が「コミュニケーション能力」と関わることで生まれます。コミュニケーション能力の高い人材は、「指示されたことを正しく認識して、相手の望みの通りに動ける」ので重宝されやすくなります。

2つ目の「柔軟な発想」については持論を持ち出しました。「柔軟な発想」とは「既存の知識の組み合わせ」であり、普段からの知識の積み重ねが、この「柔軟な発想」を生むために大切であると考えております。


本記事を通して皆様のお役に立てたなら幸いです。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
それではまたの出会いを楽しみにしております。

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