背屈可動域制限の原因、いくつ考えられますか?
この記事は↓↓↓の過去Tweetをまとめたものになります。
足関節背屈可動域制限の原因は?
と言われて思いつくものはなんでしょうか。
下腿三頭筋の伸張性低下
距骨背側滑りのjoint play低下
などはよく耳にします。
しかし、もちろん原因はこれらだけではありません。
特に荷重位での足背屈には他にも多くの関節の動きが関与しています。
今回はその辺りを紐解いていきます。
足関節背屈の役割
臨床では足関節背屈可動域制限がしばしば問題に挙げられます。
では、足関節背屈のはなぜ必要なのでしょうか。
しゃがみこみなどの日常生活動作で必要になったり、歩行時に床面とのクリアランスを保つために必要になります。
それ以外にも足関節背屈は足部とともに
荷重時の衝撃吸収
という役割を果たします。
この役割が果たせない状態での動作の繰り返しは足関節や足部だけでなく、膝関節や腰部などの機能障害が生じる原因になることもあります。
足関節背屈~OKC~
OKCでの足関節背屈時はどのような関節運動が生じるのでしょうか。
足関節は
脛骨
腓骨
距骨
から構成されている関節です。
いわゆる足関節を考える時には脛骨と距骨から構成される
距腿関節
を考えていきます。
距腿関節は関節面が凸である距骨が動くことから凹凸の法則のうち
凸の法則
に従って関節運動が生じます。
すなわち、足関節背屈に伴って距骨の背側滑りが生じます。
そして、主に足関節後方の組織の短縮や柔軟性低下が制限因子になることが多いです。
アキレス腱(腓腹筋・ヒラメ筋)
長母趾屈筋
後方関節包
踵腓靭帯
などが主な制限因子となっていることが多いです。
臨床では一見可動域制限がないようでも足関節前面に疼痛やつまり感を訴えられることを経験します。
これは距骨の背側滑りが制限され、足関節前面で軟部組織のインピンジメントが生じていることが原因と考えられます。
脛骨と腓骨で構成される
脛腓関節
でもわずかながら運動が生じます。
脛腓関節は近位脛腓関節と遠位脛腓関節の2つがありますが、どちらも関節面が凸である腓骨が動くことから凸の法則に従って関節運動が生じます。
足関節を背屈に伴い、
近位脛腓関節では腓骨の前方滑り
遠位脛腓関節では腓骨の後方滑り・外方移動
が生じます。
僕自身は脛腓関節の可動性低下が背屈可動域制限因子となっていた経験をしたことはありませんが、外傷の固定後などには可動性低下が生じることも考えられます。
また、走行から考えると大腿二頭筋の過緊張などにより遠位脛腓関節で腓骨の前方移動を制限されることも考えられます。
大腿二頭筋の過緊張は臨床でも目にすることが多いことから、足関節背屈可動域が制限されている場合にには距腿関節だけでなく、脛腓関節にも目を向けてみる価値があると思います。
足関節背屈~CKC~
次にCKCでの足関節背屈について確認していきます。
CKCでの足関節背屈は以下の図のように関節運動が生じます。
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