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美術が嫌いな人ほどハマる?漫画「ブルーピリオド」感想
お盆に実家へ帰省した際に母から「ブルーピリオド」という漫画を勧められて読んでみた。
漫画雑誌「アフタヌーン」で連載中で現在単行本は12巻まで出ている。
12巻大人買いしたらしく1巻読んでみたら止まらなくなり一晩で全巻読んでしまった。
まずざっくりとしたあらすじ。
主人公の「矢口八虎(やとら)」は勉強も友達付き合いもそつなくこなすヤンキー高校生。
その八虎がある日一枚の絵に心を奪われたことをきっかけに芸術の世界にのめり込み、日本最難関の芸術大学「東京藝術大学」合格を目指す。
この漫画の題材はアート、美術。
私ははっきりいって美術というものに全く興味がなかった。
有名な絵画を見てもよく分からないし、美術館は「分かってる風」を出すための場だと思っていた。
そんな芸術的感性皆無の私が一気読みしてしまったブルーピリオドの魅力を紹介したい。
主人公はアートと無縁だった高校生
まず主人公がアートに無縁だということ。
私は学生の頃から美術の授業が嫌いだった。
理由としてはまず上手く絵を描けないこともあるのだがそれ以上に美術を勉強してなんの役に立つのだと思っていた。
数学や英語などの受験科目は将来良い大学に行き、就職で有利になると思っていた。
逆に受験科目でもない美術は何も役に立たないと思っていた。
芸術に対して拒否反応を起こす人は私のような考えの人も少なくはないだろう。
主人公の八虎もそういう初めは美術に対してそういうスタンスでいた。
「食べていけなくても好きなことをやりたいって精神が分からない」
「食べていける保証がないなら美大に行くメリットって何ですか?」
「好きなことは趣味でいい」
といった発言をしていてまさしく私のような美術を理解できない人の意見を代弁してくれていた。
美術に対する最初のスタンスが同じな分、八虎に感情移入ができ同じように美術の魅力が伝わってくる。
美術はセンスだけじゃない
美術が嫌いな理由、それは受験科目と違い明確な答えがないからだと思う。
センスがある人しか作品を理解できない、理解できる人が偉い。
そういう感じが私は嫌いだった。
この漫画は美術のノウハウやウンチクが満載で私のような頭でっかちな人間に、なぜこの作品がすごいのかというのを理論的にも伝えてくれる。
好き勝手に才能のまま描いたように思っていた名画が、実はしっかりとした基本に裏付けられていることや、表現方法が歴史の移り変わりでどのように変わっていったのかなど、美術の理解の仕方を教えてくれる。
美術はセンスの良い人しか理解できないものだと思っていた。
今まで「なんかすごいけど何がすごいか分からない」そう思っていたのはルールを知らなかったからなのだ。
同じスポーツを観戦していても経験者と未経験者では1つのプレーから感じ取れる凄みの量が違うのと同じで、美術も例えセンスがなくてもルールを知ることでより理解ができるようになるのだろう。
「ブルーピリオド」を読んで今からでも八虎のように本気で熱中できることを探したいと思えた。
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