【読書】企業価値評価の教科書|アナリストが実務視点も解説する書籍
企業価値という言葉は何度も聞いたことがありました。以前M&Aコンサル会社のシステム子会社で連結会計をやっていたこともあったからです。また私は株もやっていますし。
しかし企業価値の計算方法は聞いたことはあれど学んだことはありませんでした。
最近は起業家支援のプロボノにも取り組んでいるため、企業価値の計算方法を知っていたらいいかなと思うことがあります。
そこで読んでみることにしました。
よく使われるDCF法とマルチプル法が解説されている
今回選んだ企業価値評価の教科書という本は、アナリストが書いている本です。
まずは株式の調達コスト率と債権の調達コスト率の計算から始まり、WACCの計算が解説されます。
その次にいよいよ企業価値の計算方法が解説されます。
企業価値評価の教科書では色々な評価方法が紹介されています。
私が企業価値の計算方法を勉強する前にもDCFが使われると聞いたことがありました。
企業価値評価の教科書でもDCF法はページ数を大きく割いて解説しています。DCF法と並んでマルチプル法もページ数を大きく割いて解説しています。
企業価値評価の教科書で力を入れている評価法はDCF法とマルチプル法の2種類になります。つまり定番の方法なわけですね。
実務でどうしているかが書かれている
企業価値評価の教科書では、実務ではこうしているという表現が何度も出てきます。ベータの計算や決算書の内容のまとめ方でも出てきます。
また取材にもページ数を割いています。取材方法の解説がしっかりされているのです。
当然ながら取材するなら、ホームページで公開されている情報などは事前に読んでおくべきです。
また競合について取材することで意外なことが解るそうです。著者の経験では、同業他社だけど競合じゃないとか、同じ一族が経営しているのに資本関係はなくて競合だったなんてケースもあるそうです。
企業価値評価で重要なことの1つに、将来の業績を予測することがあります。そのために競合や業界の状況、経営計画、投資計画などを取材によって聞き出す必要があるわけです。
計算方法だけ解説するなら、取材に関する解説は不要でしょう。しかしアナリストの仕事では業績予測のために必要なのです。
そういえば以前ファンドマネージャーの本を読んだら、年間100社は取材していると書かれていました。投資の世界のプロにとって、企業の業績予測は大事だからでしょう。
自分で練習問題を作ってExcelで計算してみた
企業価値評価について教科書を読んだところで、練習しなければ身に付きません。
そんなわけで練習問題を作ってExcelで計算してみました。とはいえ企業価値評価の手順は長いので、いくらかは端折っています。
またWACCと企業価値金額の計算だけとしており、取材や業績予測を作る問題は作っていません。というか作るのは大変ですね。
本当に大変で、なおかつ精度が求められるのは業績予測です。しかしそれは簡単にはできませんので、練習問題では省いています。
また企業価値評価の教科書でも、業績予測のためのシナリオが人それぞれ違い、シナリオによって予測業績も企業価値も変わってくることが書かれています。
終わりに
企業価値評価の教科書を読めば、企業価値を計算する上で必要な作業が一通り解ります。
問題は取材や今後の予測シナリオ、業績予測ですが、それは経験を積むしかないのでしょうね。
とりあえずこれでプロボノに役立てられるか試してみたいと思います。
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